オペレーション:レッドシー|人民解放軍全面協力の中国版シールズ|レビュー、ネタバレ

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2018年に公開された中国の戦争映画『オペレーション:レッドシー』。2015年のイエメン内戦での自国民救出の紅海行動という実話を基にした作品。本国中国では600億円という歴代2位の興行収入達成するメガヒット。撮影には実際の艦艇を使用するなど中国人民解放軍海軍が全面協力しており、リアルで迫力ある戦闘シーンが満載になっている。143分の上映時間のほとんどが戦闘シーンという濃~い戦争映画。戦闘シーンは素晴らしいのが、エンディングがな~……という作品。

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作品概要・あらすじ

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ソマリア沖で中国の貨物船が海賊に襲われ、舩ごと奪われ、乗客が人質になってしまう。周辺海域で海賊の取り締まりを行っていた人民解放軍海軍は救出の命を受け、海軍特殊部隊の蛟竜(こうりゅう)突撃隊の8人を船に送り込む。海賊を全て制圧し、船の奪取に成功するも隊員1人が負傷してしまう。
そんな中、アラビア半島のイエイレ国(架空の国だがモデルはイエメン)でクーデターが起き、内戦が勃発する。政府から現地にいる中国国民と現地で中国企業に就労している外国人を避難させる命令が出される。海軍の船は港に入港し、民間人を避難させるも、領事館の人々が反政府勢力の襲撃を受け、街中に取り残されてしまう。 蛟竜が救出に向かい反政府軍の自爆攻撃など受けるも何とか救出に成功する。救出もつかの間、今度は現地企業で働いている中国人女性がテロ組織ザカの人質になったと連絡がはいる。彼らは救出のため、さらに敵地奥に進むことになる。その道中で中国系フランス人のジャーナリストと出会い、人質の中に核兵器の情報を持つ者がおり、情報が敵に渡らないようにその者も救出するようにお願いされる。しかし、任務はあくまで中国人女性の救出という事で断る。人質の居場所を突き止めた彼らは150人はいるといわれる敵の拠点にたったの8人で挑むことになる。そこには想像をぜっする過酷な戦場が待っていた……

オペレーション:レッド・シー
ストーリー   : 1.5
戦闘・アクション: 4.5
作品名オペレーション:レッドシー
原題紅海行動(Operation Red Sea)
公開日2018年9月 
監督ダンテ・ラム
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ストーリー レビュー

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正直、中国の戦争映画は政治色が強いだろうな思っていた。軍が全面協力という事は中国共産党の影響が絶対あるはずだと。実際、見る中で多少のイメージ操作の意図は感じた。しかし、思ったよりは薄いというのが印象。少なからずアメリカの戦争映画やネイビーシールズを意識しているのは感じたが、自軍最強、自軍は正義の味方という点はアメリカ映画も一緒かと思うと妙に納得はできた。8人のキャラも際立っていたし、娯楽作品のストーリーとして悪くはなかった、エンディングを見るまでは。エンディングが全てを台無しにしてしまった。ここで思いっきり政治色が出てしまうのである。中国共産党、人民解放軍のメッセージが。「やっぱり宣伝映画だったのね」と興ざめしてしまうという大変残念なストーリー。

戦争・アクション レビュー

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戦闘、戦闘、ほぼ、戦闘という戦争映画好きには堪らない構成になっている。中国軍という事で普段は中々見ない95式自動歩槍アサルトライフルが登場するのかなと思ったら冒頭だけで、救出作戦は現地政府と共通化するためにNATO軍の装備にすると言ってSCARやMINIMIを使うという謎の設定ではあったが、ドローン爆弾や煙幕弾、無人機といった中国軍が誇る最新鋭兵器も登場する。スナイパー同士による戦いや、艦艇による砲撃、T-72とM-60の戦車戦など本当に盛沢山の内容。ただ、戦闘シーンでの人がやられた時の描写がリアルで本当にえぐいので苦手な人は避けた方がいいかもしれない。

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少なくとも海外で公開する時はエンディングをカットすべきだったのでは思う。まあ、周辺国に対するメッセージだから意図的なのでしょうけれど……

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オペレーション:レッドシー|人民解放軍全面協力の中国映画|戦争映画レビュー
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