シン・レッド・ライン|太平洋戦争ガダルカナルを舞台にした美しい映像|レビュー、ネタバレ

1999年に公開された『シン・レッド・ライン』。太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島での日米の戦いを描いた戦争映画。ショーン・ペンジョン・トラボルタエイドリアン・ブロディといった大物俳優が多数出演しており、当時、多くの映画賞を総なめにした。ヨーロッパ戦線を描いた『プライベート・ライアン』と公開年(米)は一緒になり、同年の戦争映画を二分する作品でもあった。

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作品概要・あらすじ

太平洋戦争中の1942年、ソマリア諸島にあるガダルカナル島で日米は激戦を繰り広げていた。ウィット二等兵は隊を無許可離隊し、現地住民と暮らしていたが上官のウェルシュ曹長(ショーン・ペン)に連れ戻され、懲戒処分として担架兵部隊に就くことなる。
アメリカ陸軍C中隊のクインタード淮将(ジョン・トラボルタ)、トール中佐は日本の飛行場建設の情報を受け、島への陸上部隊の上陸作戦を決行する。 日本軍の抵抗も無く、上陸に成功し、部隊は内陸へと進軍していく。やがて隊は島を見渡せる高地に辿り着く。しかし、そこは日本軍がトーチカなどで守りを固めた強固な陣地になっていた。トール中佐は出世の為に上官に媚びへつらい、ようやくこの地位まで昇りつめてきた。彼は戦場での功も求めており、スタロス大尉に今日中での高台の陥落、正面突破を命じた。しかし、その強固な陣地の前に多くの兵が倒れることになる。自分以外の仲間が全員無くなり気が狂う兵や手榴弾を誤爆する兵など戦場は凄惨を極めた。思うような戦果がでないことにトール中佐は怒り、更なる前進を命令するもスタロス大尉は2年以上共にした部下をこれ以上無駄に死なせられないと作戦を拒否する。命令に従わぬスタロス大尉に業を煮やしたトール中佐は前線まで赴き指揮を執るのだが…
兵たちは戦いが進むにつれ、戦争の狂気にむしばまれて、苦悩していく。

評価
ストーリー   : 4
戦闘・アクション: 4
作品名シン・レッド・ライン
原題The Thin Red Line
公開日1999年4月 
監督テレンス・マリック
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ストーリー レビュー

映画の序盤はガダルカナルの美しい自然の映像とスターウォーズなど数々の映画音楽を手掛けたハンス・ジマー(Hans Zimmer)の美しい音楽が流れる。まるでナショナルジオグラフィックの映像を見ているのかと思ってしまうほど美しい映像で入り口で戦争映画を感じさせない。しかし、それが、いざ戦闘となると、その自然とは対比するかのように凄惨な戦場に兵たちは苦悩する。部下を犠牲にしてでも功績を上げたい者、上官に逆らってでも部下を守る者、日本兵の言葉が脳裏から離れない者、愛する妻を糧に戦う者、戦争という狂気のレッドライン上を行きかう兵たちの人間模様がリアルに描かれている。
一点、どうしても気になったのは外国映画ではありがちなことなのだが日本兵のセリフの部分だ。日本語が片言だし、言っている事がなんかおかしい。そこにどうしても違和感を感じてしまった。

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戦闘・アクション レビュー

一番の見どころは高台を米軍が攻略シーンになる。日本軍が陣取る高台の陣地を攻略するという、圧倒的な不利な立場で米軍は突入する。突入前に榴弾砲により支援射撃が行われるものの、強固に構築されたトーチカには効果がなく、遮蔽物が無い、丘の中腹では日本軍の機銃照射と迫撃砲に容赦なく晒され、アメリカ兵たちは次々と倒れ行く。戦車や重火器もなくスプリングフィールドM1903小銃トンプソン短機関銃のみでトーチカの攻略は困難を極めるのだが、途中、7人ほどの少数の部隊であれほど苦労したトーチカをことごとく破壊してしまう。日本兵の対応も結構ずさんで、アメリカの映画だからしょうがないとは思うが、日本人からしてしまうと「日本兵何やってんだ!」と思うところもしばしば。しかし、それを除けば、リアルな戦闘シーンになっている。

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日本vsアメリカということもあり、『プライベート・ライアン』に比べると当時はあまり注目されなかったが、こちらも映画史に残る戦争映画になっている。

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シン・レッド・ライン|太平洋戦争のガダルカナルを舞台にした美しい映像|戦争映画レビュー
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