手軽に赤外線レーザーサバゲーができるはずだったのに。X-TAGが商品化中止

タカラトミーは、2019年5月14日、ライバーと共同開発していた赤外線銃とスマートフォンアプリを使って現実世界でゲームのようなバーチャル対戦ができる「X-TAG(エクスタグ)」について、予約目標数が未達のために商品化を中止すると発表した。

スマホアプリと連携した赤外線レーザー銃

X-TAG(エクスタグ)
© TOMY ©X-TAG PROJECT

X-TAGは、赤外線の光線銃だが、専用アプリを起動したスマートフォンを銃に装着、連携することで、バーチャルなバトルロイヤル式のシューティングゲームを現実世界の中で楽しめる光線銃。銃にはセンサーが付いており、全方位360°からのヒットを感知する。赤外線の有効射程は50mになる。

X-TAG(エクスタグ)
© TOMY ©X-TAG PROJECT

スマホのGPS機能でアイテムやプレイヤーの位置を探ったり、通信機能を用いてチャットで仲間と連携したりと、スマホの機能を活用したゲームが用意されていた。

目標の1万件の注文に届かず

発売は完全受注生産になり、今年2月より,クラウドファウンディング形式での予約受付がスタートしていた。価格は1台5,400円(税込)。5月7日13時までに予約数が1万件を超えた場合に商品化が決定し、今年12月に発売する予定であったが、公式サイト上には下記のように説明されていた。

2019年12月末に発売を予定しておりました下記の商品につきまして、当初予定していた予約目標数に達しなかったため、商品化を中止とさせていただくこととなりました。

残念ながら、目標数には届かったなようだ。実際、何件ほどの注文があったのかは公表されていない。

なぜ、売れなかったのか

価格は5,400円なので、値段的には手ごろと思う。では何がハードルなのか。他の玩具銃と比べて、それ単体では全く遊べない。エアガンやナーフ銃はそれ単体でも家の中で的に撃つなどで遊べる。X-TAGは個人で買っても周りに持っている人がいないと玩具として使えず、ゲームも成立しない。最大16人vs16人が可能だが、少なくとも4vs4は欲しいところ。まず、それだけの台数、仲間を集めるのは結構ハードルが高い。まだ、発売されていない製品を個人レベルでまとまった数で購入するのも難しい。その点で考えるとクラウドファンディング形式での受注生産ではなく、まずは商業施設に導入してもらうなど、ユーザーが遊べる機会を作った方がよかったのではないか。サバゲーだって、初回からエアガンを買う人はまれだ。まずはレンタルからだ。

先行体験会なども開催されていて、既に製品レベルのプロトタイプはできていた。現実世界でのシューティングゲームが広まるきっかけになるかと思っていたが非常に残念だ。

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