無謀な突撃、ドローンの囮、ロシア軍からの誤射、北朝鮮兵の悲痛な末路

無謀な突撃、ドローンの囮、ロシア軍からの誤射、北朝鮮兵の悲痛な末路

今年に入り、ロシアのクルスクに派兵された北朝鮮兵の活動が活発化している。それに伴い、死傷者が増えると共に、北朝鮮兵の現状が明るみになってきている。

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ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、ロシアのクルスクで戦闘に参加し、負傷してウクライナの捕虜となった2人の北朝鮮兵の動画を公開した。ベッドに横たわる兵士はうつろな目で「北朝鮮に戻りたいか」という質問に対し、「ウクライナに住みたい」と答えた。それに対し、もう一人の捕虜はあごを負傷して言葉をうまく発することができないため、質問に対し頷き、戻りたい旨を表した。

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ウクライナ軍は韓国国家情報院の協力を得て彼らに尋問を行った。ベッドに横たわる男性はライフル兵で負傷し、森に1人でいたところをウクライナ軍に発見され、捕虜となった。尋問によれば男性は2005年生まれ、今年20歳を迎える青年で2021年から兵役に就いていると述べている。北朝鮮では男性は17歳から8~10年間の兵役義務がある。彼はモンゴルと国境を接するロシア連邦トゥヴァ共和国のトゥラン出身と記されたロシア軍の身分証明書を持っていたが、ロシア語が読めないため、身分証に書かれている名前を読めなかった。彼は2024年秋にロシアでその書類を発行されたと答えている。ロシア、北朝鮮は共に北朝鮮兵のロシアへの派兵を公式に認めていない。あくまで戦っているのはロシア国民であるとし、事実を隠蔽するため、北朝鮮兵にはロシアの身分証が配布されている。尋問によれば、彼は訓練と聞かされてロシアに入り、ウクライナと戦う事は知らなかったと述べている。

もう一人の捕虜は顎を負傷し、満足にしゃべる事はできないが、1999年生まれで、2016年から偵察狙撃兵として勤務していたと報告されている。兵役が終わっていてもいい歳で、兵種からも北朝鮮兵の中では精鋭であることが伺える。

北朝鮮兵が捕虜になるのは稀なケースだ。北朝鮮指導部は兵に対し、捕虜になる前に自死するよう指示している。実際、負傷した北朝鮮兵が手榴弾で自爆する様子がウクライナ兵によって確認されている。例え自分で手を下せなくとも、負傷すると戦友により処刑されるという。ゼレンスキー大統領は捕虜交換で北朝鮮兵を返す旨を述べているが、捕虜は北朝鮮では反逆罪とみなされ、厳罰を科せられ、最悪、処刑さられる可能性があるとされる。今回、捕虜の顔が晒された事で物議を醸したが、捕虜になった時点で彼らの運命は決まっていた。

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ロシア軍による誤射

ロシア軍は最近、ウクライナ軍の西側製防空システムを無人機で破壊したという動画を公開した。しかし、確認する限り、ウクライナは該当の兵器を所有しておらず、専門家の分析によれば、それは北朝鮮が所有している防空システムに酷似しているとされる。ロシアの9K330 Torの北朝鮮版とされ、中央にミサイルを搭載したセミトレーラーをベースにしている。スペックが同じであれば最大射程は12km、高度6kmの範囲で空中脅威を撃墜する。

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ドローンの囮

ウクライナ兵が戦死した北朝鮮兵士から回収した日記とされるノートには、ウクライナの無人機をおびき寄せるための囮として兵士が投入されるという恐ろしい戦略が記されていた。日記のスケッチには、武装していない兵士が外でウクライナ軍の無人機をおびき寄せ、その間、仲間は身を潜めてドローンが近づいてきたところ攻撃するという恐ろしい戦略が描かれている。もし、ドローンの撃墜に失敗すれば、囮の兵士には悲惨な末路が待っている。ウクライナの情報機関によると、囮にされる兵士の多くは10代の若者で、捨て駒として利用されている事が分かる。また、日記には、塹壕でろうそくの代わりにAKと5.56mm弾を使って誕生日を祝ったことが記されていた。

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無謀な突撃

15日にはクルスクの遮蔽物の無い平原で北朝鮮兵が突撃する動画がSNSで拡散された。雪で白くなっていた平原には突撃後、無数の砲撃痕が残っており、彼らのその後の運命が伺える。北朝鮮は兵力128万人という世界最大級の軍を有しているが、1953年に朝鮮戦争が休戦して以降、本格的な実戦は経験していない。派遣されている1万1000人には特殊部隊など精鋭部隊も含まれているとされるが、誰も実戦を経験していないとされ、現代戦に対応する知識も不足しているとされる。一部の兵は過酷な訓練を受け、高い戦闘スキルをもっているが、このような無謀な突撃ではその能力を活かすことはできない。ロシア軍のスペツナズも同じ運命を辿ったが、その教訓は活かされていない。ゼレンスキー大統領はこれまでに北朝鮮兵4000人が死傷したと伝え、米情報機関は1000人以上が死亡したと分析している。

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