フランスが次期原子力空母PANGのコンセプトを発表

フランスの次期原子力空母PANGのコンセプトを発表
Image Naval Group

フランスの造船会社Naval Group は、パリで開催された2022年のEuronaval貿易会議で、2020年12月8日に発表した次期原子力空母「PANG」の具体的なコンセプトを発表しました。

Porte Avion Nouvelle Génération (PANG) と呼ばれる次世代原子力空母は2038年頃に退役予定のフランス海軍の旗艦「シャルル・ド・ゴール(R91)」原子力空母に代わる空母になります。

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フランスが次期原子力空母PANGの建造計画を発表
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発表ではCGのPANGがお披露目されました。外観は米海軍のニミッツ級やジェラルド・R・フォード級にそっくりです。PANGの全長は約302m、幅約40mとフライトデッキの広さは約16,000㎡、排水量75,000tはジェラルド・R・フォード級の全長337m、満載排水量 101,600 トンより小さいですが、シャルル・ド・ゴールの全長261m、排水量46,297tよりもかなり大型化されます。中国の新造空母「福建」が全長315m、満載排水量80,000tなので、福建と同等のサイズということになります

艦載機には国産戦闘機でダッソー社製のラファールの姿が見えます。シャルル・ド・ゴールには艦載機のラファールM/Nが搭載されていますが、PANGでも引き続き運用されるものと思われます。他にアメリカ製のE-2Dホークアイ早期警戒機、そして、後方に見えるのはおそらく現在、フランス、ドイツ、スペインが共同開発中の第6世代戦闘機(FCAS)かと思われます。PANGは最大32機の戦闘機と多数のヘリコプターを搭載できるように設計されています。

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カタパルトシステムはシャルル・ド・ゴールの蒸気カタパルトから電磁式カタパルトに代わる予定です。これはアメリカのジェラルド・R・フォード級で実装されているものが技術協力されるのではとされており、フランス兵器調達局 (DGA)が既にジェラルド・R・フォード級を視察しています。

フランスのTechnicAtome社製の2つの原子炉を搭載、3つのシャフトドライブに電力を供給、速度は27ノット。原子炉は10年に1 回燃料を補給するだけで済み、航続距離はほぼ無限で、長期に渡って海上任務を遂行できます。

最大2000人が乗員、防空システムにはARABELフェーズアレイレーダー、SAAMやASTERといった対空ミサイルが装備された垂直発射システム、短距離防空ミサイルの6連装SADRAL、20mm機関砲 F2など装備される計画です。

建造スケジュールについては2025年に着工し、2036年に海上試験を開始、2038年に就航を予定しています。建造費は現地メディアが50億ユーロを超える可能性があると報じましたが、フランス政府はまだ建造費を公表していません。

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フランスの次期原子力空母PANGのコンセプトを発表
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