特許侵害!?ドイツ軍が新小銃MK556の採用をキャンセル

ドイツ陸軍はヘーネルMK556を新しい主力小銃として採用することを決定

先月、ドイツ連邦軍の新小銃にドイツのヘーネル社のMK556アサルトライフルを採用する事をドイツ国防省が発表しましたが、この決定について、これまでドイツ軍に約60年に渡って主力小銃を供給してきたヘッケラー&コッホ(H&K)社が異議申し立てを行い、MK556の契約はキャンセルされ、再検討されることになりました。

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ドイツ陸軍はヘーネルMK556を新しい主力小銃として採用することを決定

ドイツ国防省は9月15日にG36に取って代わる次期主力小銃としてドイツのチューリンゲン州の銃火器製造会社であるCG Haenel(ヘーネル)社が開発製造する「MK556アサルトライフル」を採用すること発表します。ヘーネル社は契約額延べ2億4500万ユーロ以上で120,000挺のMK556をドイツ軍に納入する契約を獲得しました。しかし、この決定について競合他社は2週間以内であれば異議を唱えることができ、戦後のドイツ連邦軍の主力小銃の開発製造を担ってきたH&Kが黙っていませんでした。H&Kは60項目にわたる理由を320ページもの内容にまとめたレポートを提出し、上訴しました。

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異議申し立ての内容は?

今回の新小銃のテストを行ったのは数年前にH&Kが製造するG36の欠陥を指摘した技術者でした。この指摘に対してH&Kは異議を唱え、その後の法廷での争いで欠陥がなかったことが立証されいます。そのため、今回のテスト結果についてはH&Kは不信感を持っています。

次に価格が安すぎる点です。一説によるとヘーネルとH&Kの入札価格は5000万ユーロ程、開きがあったといわれています。これはヘーネル社が不当な安い価格で叩き売るするダンピングで採算が取れないのではないかと指摘しています。ビジネスの世界では、実績がない会社が採算を度外視して競合よりも安価に受注して、実績を作ることで次のビジネスに繋げてコストを回収ということはよくあります。しかし、これは公共事業であり、違法だと訴えています。

そして、ヘーネルは社員規模はH&Kの1000人に対して、120人しかいません。この数で12万挺の小銃を開発するのは不可能だと訴えており、実際はアラブ首長国(UAE)にある親会社の”カラカル社”が製造するのではないかと指摘しています。

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キャンセルに至った決定的理由

しかし、これらはキャンセルに至った決定的理由ではありません。ドイツ国防省の発表によると、特許侵害の可能性が完全に否定できないためです。どの点がとういのは公表されていませんが、一部ではH&KのHK416に酷似している部分があるといわれています。キャンセルといってもMK556の採用が完全になくなったわけではなく、再度検討される形です。特許侵害がもし事実であれば、一度は競争に敗れたH&KのHK433が逆転で選ばれるかもしれません。どちらにしてもドイツ連邦軍の新小銃の配備は遅れ、G36はまだしばらく使用され続けるかもしれません。

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https://www.handelsblatt.com/politik/deutschland/g36-nachfolger-etappensieg-fuer-heckler-und-koch-verteidigungsministerium-stoppt-sturmgewehr-auftrag-fuer-haenel/26262150.html?ticket=ST-1624255-wb7BcQzn6nFWRV0emnKk-ap4

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