インドの北シッキム郡にある中国とインドの国境で9日、約150人のインド軍と人民解放軍の間で衝突があり、この戦闘で両陣営に負傷者が出た。事件の一部始終がインド軍によって映像が記録され公開された。
銃器は使わず
インドメディアの報道によると5月1日、ネパールとブータンに挟まれ中国と国境を接する北シッキム郡のナクラの国境で、インド軍と中国人民解放軍との間で衝突があったと報じられた。内訳は不明だがインド軍、中国軍の兵士、約150名が関与し、4名のインド人兵士と7名の中国人兵士が負傷したことが明らかにされている。戦闘では銃器や刃物は使われず、石を投げ合った。また、映像を見る限り蹴りや殴る様子も見え、格闘戦も行われた様子だ。
インド軍は声明の中で、双方による攻撃でインド軍、中国軍共に軽傷者がでたが、その後の現場での対話で紛争は収まったと伝えている。情報筋によると、この戦闘は長くは続かず、大きな問題には至らなかった。対話後は互いに現場から去った。衝突の原因は国境に対する双方の認識が異なることによるものだった。
[adcode]6月16日、中国とインドが国境を争うヒマラヤ山脈地帯で両国軍が衝突し、インド兵が少なくとも20人死亡したと発表した。中国とインドはパキスタンに近いカシミール、そしてネパールとブータンに挟まられるラダックなど[…]
インドと中国の国境問題
中国とインドとの間では1962年に中印国境紛争が起きており、その頃から領有権問題を抱えている。最近では2017年6月に中国がブータンのドラコム高原の領有を主張して道路建設を開始。ブータンの守護国であるインドが軍を派遣、それに対抗し中国も軍を派遣し、一触触発の事態になった。同年末にはインド北東部のアルナーチャル・プラデーシュ州で中国が道路建設を行いインド軍が出動している。インド、中国の国境付近は緊張状態が続いている。