ヤティマティック|コブラの愛銃サブマシンガン

映画 コブラ

サブマシンガンの”ヤティマティック(Jatimatic)”。この名を知っている人は決して多くはないと思う。だが、シルベスター・スタローン主演の映画『コブラ』で主人公の“コブラ”ことマリオン・コブレッティ刑事(スタローン)が使っていた短機関銃といえば分かる人は多いだろう。

コブラ
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フィンランド発のサブマシンガン

ヤティマティックはJaliTimariによって法執行機関や装甲車の乗員装備用に設計され、1980年から1987年にかけてフィンランドのTampeeren Asepaja Oyで製造された。生産はその後、停止されるも1995年にフィンランドの別の会社Oy Golden GunLtdによって名を変え「GG-95PDW」の名前で一時的に再開、少数が生産され、フィンランド国防軍の採用テストを受けるも、テストに受からず、再生産はストップしている。

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ボルトが斜め

ヤティマティック|コブラの愛銃サブマシンガン

ヤティマティックはサブマシンガンとしては一般的な9×19mm弾用に作られ、レシーバーはスチール製のプレス加工、それ以外の多くはプラスチックパーツでできている。部品点数は僅か39点しかない。
見た目は先行のUZIやMAC10に近く、後発の割には特徴のない銃に見える。この銃の最大の特徴はボルトの設計にある。通常、ボルトやコッキングレバーは銃身(バレル)に対して水平に配置され、射撃に合わせ前後に動く。だがヤティマティックのボルトは後ろから斜めに下がる形で移動する。ボディが若干斜めっているのはそのためだ。これにより、グリップが他の銃と比べて高く位置している。もしレシーバーを水平に保って持ってしまうと銃口は若干、上を向いていしまう。

ヤティマティック|コブラの愛銃サブマシンガン

下がるボルトの設計により、銃口の跳ね上がりを防ぎ、連射時でも銃口の制御が容易になり、片手でも制御できるようになっている。
ストックは無く、折畳み式のフォアグリップが付いている。このグリップはコッキングハンドルとしての役目もあり、折り畳めばボルトを止め、セーフティ装置の役目も果たしている。発射モードのセレクターはなく、引き金を短く引けばシングルショット、長く引けばフルオートになる。しかし、他のサブマシンガンに見られないこの特殊な設計は使いづらく、慣れが必要なため、普及せずに生産を終えることになる。

スペック

口径9×19mm
重量1.65kg
全長375mm
銃身長(バレル)203mm
弾丸9x19mmパラベラム弾
有効射程100m
発射速度650発/分
装弾数20/40発
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ヤティマティック|コブラの愛銃サブマシンガン
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