演習中のポーランド空軍の戦闘機MiG-29が、一緒に飛んでいた僚機Mig-29に誤って発砲する事故が発生。撃たれたMiG-29は大きな損傷を受けるもなんとか自力で着陸。パイロットに怪我はありませんでした。
模擬戦闘中の事故か?
ポーランドメディアの報道によると5月14日に行われた、ナダジツェでの演習中に、MiG-29戦闘機のパイロットの 1 人が30mm機関砲で共に訓練を行っていた同型のMig-29に発砲。機体には大きな穴が空くものの幸いなことに撃たれたMig-29は自力でなんとか着陸。パイロットにも怪我はありませんでした。その後、事故はポーランド国防省によって確認の上、先日、発表されました。現在、国家航空事故調査委員会がこの事故を調査しています。天候や条件は不明ですが、ポーランドの元空軍検査官のトマシュ・ドレウニアク大将によれば、乗組員の訓練と安全規則の適用に問題があったと述べています。本来、安全規則に従い、実際に発砲することは禁じられており、何かしら操作の間違いが起きた可能性が高いとされます。演習が模擬戦闘訓練(ドッグファイト)だったのかは不明ですが、そのような訓練を行う際は安全のため、弾薬は取り除き武装解除を行いますが、過去には着前までスクランブル対応を行っていたため、武装解除を忘れて誤って友軍機を撃墜といった事故は他国でも起きています。これは日本も笑い事ではなく、航空自衛隊では過去、F‐15の空対空ミサイルで僚機を撃墜する事故を起こしています。
修復は不可能
無事に着陸したもののメインフレームに損傷を受けたMig‐29の修理は不可能と目されています。Mig-29はソ連によって1970年代に開発、1983年から運用された戦闘機です。冷戦時、東側だったポーランドでは多数のMig‐29を所有しており、旧東側で要らなくなったMig-29を積極的に購入。現在27機を保有しており、自力で近代化改修を行うなどNATOに加盟する現在でも空軍の主力戦闘機の一つです。
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