ロシアの国営軍事企業で主に対空・防空兵器・システムの開発製造を行うAlmaz-Antey(アルマズ・アンティ)はロシアメディアに対し、無人航空機(UAV)・ドローンを迎撃するための専用の小型ミサイルの開発に着手していると述べました。同社のチーフデザイナーであるパベル・ソジノフ氏によると開発中のミサイルは従来のミサイルよりも小型で安価になります。
昨今脅威が増すドローン。遠隔操作で精密誘導が可能なドローンは軍事基地や地上車両にとって非常に脅威です。ドローンは安価で開発、製造が可能なため、大量配備がしやすく、軍事資金が乏しい軍の間でも出し惜しみぜ多用されます。アゼルバイジャンがアルメニアとのナゴルノ・カラバフ戦争でドローンを多用して勝利したのは記憶に新しいかと思います。ドローンの迎撃で現在、もっとも有効な手段は対空ミサイルです。サウジアラビア軍はイランやイエメンからのドローン攻撃に対して、F-15戦闘機を発信させ、一発数千万以上する対空ミサイルで迎撃しています。だが、数十万円のドローンに対して数千万のミサイルは費用対効果は最悪で、ドローン攻撃が多用されると配備が追い付かない可能性があります。また、従来の対空ミサイルのセンサーが小型のドローンを捉えきれない可能性があります。
イエメン内戦でハーディー政権を支援するサウジアラビア空軍のF-15戦闘機が反政府派でイランが支援するシーア派武装組織のQasef‐1(カセフ)自爆ドローンを対空ミサイルで撃墜する様子が撮影されましたが、費用対効果が最悪な撃墜だと話[…]
これらの課題を解決するためにアルマズ・アンティは安価で費用対効果が高く、小型のドローンも捉えることができる対ドローン対空ミサイルの開発を行います。小型というからには、ロシア軍が現在配備する携行式地対空ミサイル(MANPADS)9K333 Verbaよりも小型で兵士が携行可能なものと考えれます。対ドローン兵器というと、レーザー、マイクロ波が主流ですが、まだ、開発途中で本格運用は進んでいません。