米軍が射程1600kmを超える超長距離砲SLRCを開発中

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米軍が射程1600㎞を超える超長距離砲を開発中
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アメリカ陸軍は、1,000マイル(1600㎞)以上の驚異的な超長距離射程を持つ大砲SLRC(Strategic Long Range Cannon)を投入する計画を進めている。この大砲と極超音速兵器により、既存の陸軍システム、戦術の範囲をはるかに超えた長距離攻撃が可能になり、2023年の実現を目指している。

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東京~沖縄間の距離

1600kmといわれてもピンとこないかもしれないが、東京~沖縄間の直線距離が1537km、それとほぼ同等の距離で東京から放たれた砲弾が沖縄まで届くことになる。それこそ、お隣の国まで届いてしまう射程だ。これが弾道ミサイルではなく榴弾砲のような形で実現されてしまうことになる。この長距離砲は自走ではなく8輪と6輪からなる車両で牽引する形で陸上、海上、航空輸送が可能でどこでも配置は可能。8人の砲兵で運用する。

この兵器の対象となっているのが中国だ。中国はA2/AD(接近阻止・領域拒否)という作戦を取っている。 これは長距離砲、レーダー、防衛システム、空軍力を使って米軍の航空機、船舶、無人機を広範囲にブロック、沿岸地域から敵を遠ざける作戦。もし中国が台湾や他の太平洋の隣国を侵略しようとした場合、A2/ADが作戦を遂行する間、米軍を寄せ付けず、攻撃を妨害することができるとされている。 航空機、ドローン、ミサイルといった空中からの飛翔体は撃墜される恐れがある。しかし、それが1600㎞離れたところから発射される音速を超える砲撃だとすればどうだろう。反撃しようにも射程外になり、迎撃、発射地点を特定することも難しく、反撃、防御は困難になる。米軍にとってもミサイルと比べて非常に安価で、お財布にも優しく多用できる。

過去にあった長距離砲

現在の榴弾砲の距離は自衛隊の「FH70 155㎜榴弾砲」で最大30㎞。これは都内から横浜ぐらいの距離だ。他の榴弾砲の射程距離も平均これぐらい。

80cm列車砲

有名なのは第二次大戦時にドイツ軍が開発した「80cm列車砲」だ。重量 1,350トン、全長47.3mとあまりにも巨大過ぎたため、線路、列車で移動するしかなく、砲の操作には1400人の人員が必要だった。最大射程は48㎞。強力な威力を誇ったが線路上という移動の制限とその巨大な車体は航空攻撃の格好の的になった。

戦艦大和45口径46cm主砲

第二次大戦当時、世界最大の戦艦といわれた「大和」。大和が持つ主砲も当時世界最大だった。46㎝の主砲の射程距離は42㎞。当時の戦艦の中では最大射程・攻撃力を誇ったがその実力を発揮する機会はほぼ無かった。

現在、過去と比較しても開発中の長距離砲の射程がどれだけ凄いか分かると思う。実現すれば米国と敵対する国にとっては大きな脅威になるだろう。

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