10位 1,920m
2009年9月のイラクで達成されたこの記録は映画にもなったネイビーシールズの伝説的英雄クリス・カイルの記録になる。映画『アメリカン・スナイパー』の中でも描かれているが、サドルシティの郊外で味方を何人も殺害してきた敵スナイパーを狙撃した時の記録になる。使用したライフルはマクミランTAC-338、弾丸が.338ラプアマグナム。
9位 2,092ｍ
2008年1月のアフガニスタンで米陸軍第91騎兵連隊第1飛行隊所属のニコラス・ランスタッドが記録した。彼は現地で岩に向かって射撃訓練を行っていた。ある日、的にしていた岩の近くにタリバン兵が立っていた。彼はそこまでの弾道の軌跡を把握しており、経験に沿って狙撃。一発目は外れたが二発目で当てた。使用したライフルはバレットM82A1になる。
8位 2,125ｍ
2013年8月に国連平和活動のミッションとしてコンゴ共和国に派遣されていた南アフリカ軍特殊部隊のスナイパーが記録した。使用されたライフルは南アフリカのDenel Mechem社製のDenel NTW-20対物ライフル、弾丸は14.5×114mm弾。
7位 2,286ｍ
1967年2月のベトナム戦争にて米国海兵隊第1海兵師団のカルロス・ハンコックが記録した。彼はベトナム戦争でM21ライフルを手に93名を狙撃したが、記録で使用されたのは重機関銃のM2ブローニングになる。このM2にはスコープが取り付けられ、シングルショットモードで撃った二発の弾丸は一発目に武器を積んだ自転車を破壊し、2発目に兵士を殺害した。
6位 2,300ｍ
2004年10月のイラク戦争で米陸軍第75レンジャー連隊第２レンジャー大隊所属のブライアン・クレーマー軍曹が記録した。使用したライフルはバレットM82A1。
5位 2,310ｍ
2002年3月のアフガニスタンでカナダ軍軽歩兵の狙撃チームに所属していてアロン・ペリーが記録した。アナコンダ作戦に参加していた彼はアルカイダとタリバンの狙撃に成功し、先ほどのカルロス・ハンコックの記録を34年ぶりに塗り替えた。使用したライフルはマクミラン社のTAC-50、弾丸は.50BMG（12.7x99mm NATO弾）。
4位 2430ｍ
アロン・ペリーの記録は数日後に同じ部隊の同僚ロブ・ファーロングによって更新される。彼は同じTAC-50を持って山腹に位置し、RPK機関銃で攻撃するタリバン兵を狙った。１発目は外れたが２発目で敵を仕留めた。その距離は先日アロンが打ち立てた記録を120ｍ更新する記録だった。
3位 2,475ｍ
2009年9月のアフガニスタンでイギリス陸軍王室騎兵隊所属のクレイグ・ハリソンが記録した。ヘルマンド州において味方を部隊を支援するため敵二人を狙撃、機関銃を無効化する。使用したライフルはL115A3。
2位 2,815ｍ
2012年4月のアフガニスタンでオーストラリア軍第2コマンド大隊特殊部隊所属のスナイパーが記録した。ヘルマンド州にあるタリバンの司令部を監視していた二人のスナイパーは司令官を発見、二人はほぼ同時に射撃を行い、内一発が標的を捉えた。使用したライフルはバレットM82A1になる。
1位 3,540ｍ
2017年5月のイラクにてカナダ軍特殊作戦司令部傘下の特殊部隊JTF-2所属のスナイパーが記録した。これでベスト5にはカナダ軍のスナイパーが３人ランクインしたことになる。使用するライフルも他の２人と同じTAC-50になる。3,540ｍという距離は発射から目標まで10秒もかかるという超長距離狙撃になる。
2000年以降に多くの記録が生まれている
TOP20の狙撃記録のうち15の記録が2000年以降に記録されたものになる。ライフルや弾丸、光学機器などの性能の発展や狙撃技術の向上によるところも大きいと思うが、戦い方が変わったことも影響していると考えられる。昔のように歩兵が前面に出てドンパチすることは少なくなり、ミサイルや爆撃といった間接的な攻撃が多くなり、交戦距離は伸び、近接戦闘は少なくなっている。そういった中でスナイパーの重要性は増しており、運用機会も多くなっている。また、近年の紛争の多くは中東で繰り広げられており、これが大きな要因を占めているという声もある。アフガニスタンは標高が高く、空気も薄いため弾丸が空気抵抗を受けにくい。さらに身を隠せるような草木は少なく、砂漠のような荒れ地ばかりで障害物も少ないので長距離から狙いやすいことが記録が生まれる要因と考えられている。
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