
2021年10月、四国沖で海上自衛隊の”いずも型護衛艦”の一番艦である「いずも」の甲板にて初の航空機の離発着訓練が行われ、岩国基地に所属する米海兵隊「第242海兵全天候戦闘攻撃中隊」のF-35 BライトニングII型戦闘機が着艦、発艦に成功。日本は晴れて、第二次大戦以来の航空機の発着艦可能な航空母艦「空母」を手に入れたことになり、数すくない空母保有国の一員になります。現在、空母の保有国は世界でもごく少数で2023年1月現在、空母保有国は日本を含めたった9か国しかありません。その9か国を紹介します。
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※ヘリコプター空母や強襲揚陸艦を空母と分類するところもありますが、本記事ではあくまで航空機の航空母艦として艦載機の離発着が可能な艦船を対象しています。
アメリカ 11隻

ニミッツ級
世界最大の軍事大国であり、世界最強の海軍を擁するアメリカ軍。空母戦力に関しても他国を圧倒しています。空母は全て原子力を動力とした原子力空母で艦載機70機を擁する大型空母になります。現在の保有数はニミッツ級が10隻、ジェラルド・R・フォード級が1隻の計11隻になります。ニミッツ級の1番艦は1975年就役になります。最新鋭のジェラルド・R・フォード級は2017年に1番艦が就役、2番艦、3番艦が建造中で同艦は今後10隻の建造を予定しています。

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中国 3隻

隣国、中国は長らく空母を保有しておりませんでしたが、2012年に中国初の空母を「遼寧(りょうねい)」を就役します。これは旧ソビエト海軍が1985年に起工した空母Varyag(ヴァリャーグ)を改修したもので、同艦はソ連崩壊に伴い、開発が中断、その後ウクライナに編入され、1998年にマカオの企業がウクライナからスクラップとして購入したものを中国海軍が買い取ったものです。それを近代化、電子装備を改修したものになり、2012年に就役と言えど空母の基礎設計は古いものになります。 遼寧で培ったノウハウを基に2隻目として初の国産空母「山東」を建造、2019年に就役しています。遼寧、山東ともに発艦方式にスキージャンプ式を採用いていますが、2022年に進水した三隻目の空母「福建」には最新の電磁カタパルト式の発艦システムを採用するなど近代的な空母になっています。
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タイ 1隻

決して軍事大国と言えないタイが空母を保有しているのは意外と思われるかもしれません。タイは1997年にスペインで建造された「チャクリ・ナルエベト」を就役しています。ただ、周辺に脅威となる国や紛争はなく、脅威となるのは国内にいる反政府テロになり、そのため軍事予算は陸軍が優先されます。そのため、予算は少なく運用可能な艦載機は一機もなく、同艦は空母として本来の目的で運用はされておらず、現在では月1回の訓練や災害派遣、王室の移動に用いられることが主になっています。
写真 タイ王国海軍航空空母とは軍艦の一種で、多数の艦載機を搭載し、艦上の長い飛行甲板を使って、海上であればどこでも航空機の離発着を可能とする海上を移動する航空基地です。空母は艦載機を運用することで戦闘能力を有し、その存在価値がある[…]
インド 2隻

ヴィクラマーディティヤ
隣国パキスタン、中国と領有権争いがあり、インド洋の覇権を狙うインド海軍。イギリス海軍の流れをくむ海軍は1961年から空母を保有。2014年に就役した「ヴィクラマーディティヤ」は1978年にロシアで起工されもので、その後、ソ連崩壊や事故など紆余曲折がありインドに引き渡され、近代改修のち起工から40年近く経ってようやく就役にこぎつけます。その後、初の国産空母となる「ヴィクラント」を建造、2022年8月に就役し、現在は2隻体制となっています。3隻目も計画中です。
ロシア 1隻

アドミラル・クズネツォフ
アメリカに次ぐ軍事大国のロシア。かつてはアメリカと覇権を争っていましたがソ連崩壊に伴い多くの空母の建造計画がとん挫し、現在は1990年に就役した「アドミラル・クズネツォフ」1隻のみになります。船体は古く推進システムや装備も旧態以前のものになり現存する世界最悪の空母といわれています。2017年に近代化改装のためドックに入港しますが、度重なる火災事故で一向に改修は終わらず、2022年12月にもまた火災が発生、復帰は2024年以降を予定していますが、火災が起きるたび延期されています。
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世界3位の海軍力を誇るロシア海軍。しかし、近年、1位のアメリカ、2位の中国との戦力差は開くばかりだ。その最たるが航空母艦の有無であろう。アメリカには11隻の大型空母がり、世界断トツ。中国も2隻保有し、2021年には3隻目が進水する[…]
イギリス 2隻

かつてイギリス海軍は世界最強といわれ、世界初の空母を起工したのはイギリスでした(完成まででいうと日本が初です)。現在は2017年に就役した「クイーン・エリザベス」、姉妹艦となる「プリンス・オブ・ウェールズ」が2020年に就役。共にスキージャンプ方式を採用した空母です。日本とイギリスは防衛協力を結んでおり、 クイーン・エリザベスが2021年は太平洋に派遣され、海上自衛隊との合同演習、横須賀基地に寄港しています。
[adcode]英海軍の最新空母「HMS プリンス・オブ・ウェールズ( HMS Prince of Wales )」が19日に試験航海のために出港しスコットランド東部のファースオブフォースに入った。2020年に就[…]
フランス 1隻

シャルル・ド・ゴール
2001年に就役した「シャルル・ド・ゴール」。フランスはアメリカ以外では唯一、原子力空母保を有しています。艦載機には核攻撃能力を有した国産のマルチロール戦闘機ラファールMを搭載しており、空母を保有する国で空母に核兵器を搭載しているのはフランスのみになります。その為、非核三原則に基づき、日本への寄港は認められていません。
イタリア 2隻

ジュゼッペ・ガリバルディ
イタリアでは現在、1985年就役の「ジュゼッペ・ガリバルディ」、2008年就役の「カヴール」の2隻の空母を保有しています。イタリアが2隻とは意外ですが、どちらも軽空母ほどのサイズになり日本の護衛艦「いずも型」と大きさは同程度になります。ヘリコプターや揚陸艇の搭載など強襲揚陸艦の用途も踏まえた構造になっています。

カヴール
日本 1隻

日本は第二次大戦以降、憲法9条の専守防衛の原則のもと空母を所有していませでした。安全保障、離島防衛の観点から航空母艦の所有に舵をきります。そこで行われたのが”いずも型護衛艦”の改修です。いずもは空母のような大きな甲板を持っていますが、ヘリコプターの離発着はできても航空機の離発着を行うことは不可能でした。そこで、飛行甲板の耐熱塗装や誘導灯、標識塗装といった航空機の離発着可能な空母化の改修を行ってきました。そして、2021年10月に洋上にてF-35Bの離発着訓練行われ、無事に成功します。艦載機は短距離滑走離陸/垂直着陸(STVOL)のF-35Bに限られます。二番艦の「かが」も同様に空母化されます。
ハセガワ 1/700 ウォーターラインシリーズ 海上自衛隊 ヘリコプター搭載 護衛艦 いずも プラモデル 031