最近の戦争・アクション映画で悪役の定番となっているテロ組織。しかし、テロはスクリーンの中だけの存在ではない。世界中でテロ事件は起きており、今やどこでテロに巻き込まれるか分からない時代になっている。彼らは自分達の政治的目的、そして報復を行うためなら手段を選ばない。そして、彼らは時にそのターゲットとして抵抗できない一般人、ソフトターゲットを無差別に狙う。世界には多くのテロ組織が存在している。ここで紹介するのは一部に過ぎないが、世界でも最も凶悪とされるグループになる。
アル・シャバブ
東アフリカはソマリアのテロリスト集団は、同国に駐屯する外国軍隊を排除するという使命を掲げて2006年に設立された。イスラム政府の設立を目指す彼らは、その資金のため、誘拐による身代金、海賊行為、違法取引、その他、あらゆる犯罪行為に手を出し資金を得ている。アルシャバブは主にソマリア南部を支配下に置き、ケニア、ウガンダでも活動している。自動車攻撃や自爆テロを定期的に行い、2013年にはケニアのウエストゲートモールを襲撃し、60人以上を殺害した。そのわずか二年後にはケニアの大学を襲撃し、今度は148人の学生を殺害している。2017年にはモガディシオ中心部で大規模な爆弾攻撃を行い358人の死者を出している。
神の抵抗軍 (LRA)
ジョセフ・コニーが1987年に結成したこのテロリスト集団は、ウガンダ、スーダン南部の一部、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国で活動している。平和と繁栄を通じてウガンダを統一しようというのが最初のメッセージだったが、直ぐに暴力的な組織に変わり、LRAの行いは人々を恐怖に陥れた。大人たちは手足を切断、又は殺害され、子供は連れ去り男子は少年兵に、女子は性奴隷にとあらゆる罪を犯している。2008年から2011年まで、この恐ろしいグループは少なくとも2,300人を殺害し、2万人以上の子どもたち誘拐した。そして彼らの影響で中央アフリカ全土で数十万が住居を追われ難民と化している。
ボコ・ハラム
ボコ・ハラムは恐らく現在アフリカで最も凶悪なテロ組織になる。この西アフリカのテロリスト集団は、世界で最も恐ろしいイスラム国(ISIL/ISIS)の下部組織であり、アルカイダと密接な関係を持っている。ボコ・ハラムという名前は 「西洋の教育は罪だ」と意味になる。創始者のモハメッド・ユスフは西洋の教育を強烈に軽蔑している。「地球が丸いというのは西洋の概念だ」と天文学さえも否定する。ボコ・ハラムは2009年から主にナイジェリアで活動しており、各地でイスラム法を制定しようとしている。彼らは、酒を飲むなど外部の行為を一切許さない厳格なイスラム法を制定して、政権転覆を図った。2011年にはナイジェリアのアブジャにある国連本部の爆破テロ。2014年には女学校を襲撃し240人以上のナイジェリア人女子生徒を誘拐し、国際的な注目を集めた。彼女らは組織メンバーと強制的に結婚され、子を産まされたり奴隷として扱われた。 2015年にはバガを襲撃し住民2000人を虐殺した。
コロンビア革命軍（FARC）
FARCの起源は、建国以来続くコロンビアのリベラル派と保守派の間の紛争の時期にまでさかのぼる。1964年に結成されたFARCは反帝国主義的で共産主義的な政策を押し進め、マルクス・レーニン主義政権設立のためにゲリラ戦術を使った戦いを始める。FARCは貧しい農民を守ると主張し、国の天然資源の民営化訴えている。しかし、FARCは、違法な採鉱、誘拐、人身売買、恐喝などの多くの違法行為によって活動資金を得ている。さらに、コロンビア全土で数百件の爆弾テロや殺害を行い、内戦までに発展する。アメリカ、南米諸国の政府は一様にFARCをテロリスト集団として認め、米国政府は間接的な軍事的支援を行った。2016年には半世紀に及んだ内戦を終結させる協定を締結したのがFARCのナンバー２だったマルケス氏が2019年8月にFARCの戦闘を再開することを宣言した。
パキスタン・タリバン運動（TTP）
パキスタンとアフガニスタンの国境沿いを拠点にするイスラム原理主義武装テロ組織になる。TTPの唯一の目的はパキスタン政府を打倒することである。TTPはNATO軍と戦い、支配地域にイスラム法の執行を行っている。TTPは2007年に設立され、複数のイスラム過激派グループで構成されている。創設者であるバイトゥッラー・マフスードは悪名高いパキスタンの戦士になり2009年にはCIA局員7名が死亡する「チャップマン基地自爆テロ事件」を起こしている。マフスードは同年に米軍の空爆で死去。跡を継いだムラー・ファズルーラも2013年に同様に死去している。TTPはパキスタンの国連本部や軍事基地、子供たちが通う学校などを攻撃するだけではなく、米国の都市をも標的にした。2010年、TTPはタイムズスクエアで自動車爆弾を爆発させようとした。
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