1000人近くのウクライナ海兵隊員が、イギリスでの英海兵隊と英陸軍特殊部隊による6か月の訓練を終えてウクライナに帰国します。
Commando skills for Ukraine's Marines…#RoyalMarines have spent more than six months training nearly 1,000 Ukrainian Marines in the art of commando raiding and complex amphibious operations.
— Royal Marines (@RoyalMarines) August 11, 2023
🇺🇦 #StandWithUkraine
Read more: https://t.co/owtZ4uhxKY pic.twitter.com/H86RcFrcI8
この訓練は、今年2月のゼレンスキー大統領の訪英時にスナク首相が発表したことを受けて始まった訓練プログラムで英海兵隊と英陸軍特殊部隊は半年をかけてウクライナ兵にインフレータブルボートを使った海岸線の強襲や上陸作戦など水陸両用作戦の訓練を行いました。イギリスはこれまで多くのウクライナ兵に訓練を行ってきましたが、主に塹壕戦や市街地戦など陸上での戦闘訓練がメインで、今回、ウクライナに提供した水陸両用訓練は初めての戦闘訓練プログラムでした。ウクライナ海兵隊は昼夜を問わず水上襲撃を計画・実行する能力を得たことで訓練は締めくくられました。
イギリスは、ウクライナ軍の訓練において先導的役割を果たしており、ウクライナ軍の新兵訓練を担う「インターフレックス作戦」を通じて、これまでウクライナ陸軍の新兵2万人以上に対し、最前線での戦闘技術に関する世界最高水準の訓練を提供してきました。
今回のウクライナ海兵隊への訓練プログラムは、ウクライナが独自の海上部隊を構築し、海上、水上での作戦能力を拡大することを支援することを目的に英海兵隊、英陸軍特殊部隊というイギリス軍が誇る精鋭部隊によって実施されました。イギリス海軍に所属するイギリス海兵隊は1664年に創立され、世界で4番目に古い海兵隊でその実力は米海兵隊を凌ぐと言われています。
900人のウクライナ海兵隊員がこの課程を修了、訓練には携行式対戦車ミサイルのNLAWやMANPADSのスティンガー、迫撃砲や無人偵察機の使用訓練、 「ドラゴンの歯」 と呼ばれる対車両障害物の爆破解体訓練などが含まれていました。これら訓練で使用された装備は全てイギリスがウクライナに提供した軍事支援の一部と同じです。ウクライナ訓練生はさまざまな背景を持っており、その多くは軍事経験のない民間からの志願者である一方、ウクライナ軍の他の部門から転属してきた者もおり、すでに前線で戦闘に従事している者もいました。訓練に当たったのは英海兵隊の中でも精鋭の特殊ユニット第42コマンドと第47コマンド襲撃グループの教官の他、オランダ海兵隊の教官も訓練プログラムに参加していました。
訓練を終えた900人はこれから帰国の途に着き、ウクライナに到着次第、前線に配備されます。彼らの訓練の内容から、ドニプロ川東岸のロシア領内の上陸作戦、若しくは、今後予定されているとされるクリミア半島上陸作戦に投入されるかもしれません。
イギリスは延べ3万人のウクライナ兵の訓練を予定しており、訓練は今後も続きます。
Source