ヨーロッパ最後の独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の再選について、不正疑惑が持ち上がり、政治不安が続く同国だが、ミリタリー界隈ではベラルーシ軍がテストする三輪戦闘車に注目が集まった。
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Konung(コヌン)
ベラルーシの国営軍事放送局VoentTVが公開したベラルーシ軍の映像の中に興味深い戦闘三輪車が映し出された。この三輪車には大きく太いタイヤ、そしてハンドル部分にはPKM 7.62 mm機関銃が備え付けられていた。これはベラルーシ陸軍が現在テストしている”Konung(コヌン)”と呼ばれる全地形車両(ATV)だ。
2019年のミンスクでのMILEX博覧会で初めて公開された、この三輪車は偵察員が敵の後方で特殊作戦を遂行したり、装備や弾薬の輸送、負傷者を避難させることを目的に開発された。前方のPKM機関銃によって、走りながら射撃するといった突撃車のような役目も担う。ハンドルと機関銃は同機軸ではないようで、運転手と射手はそれぞれ別に操作するようだ。動画の中では後方の射手が機銃を撃つとき、前の運転手は身を屈めている。意外にも最大5名まで乗ることができ、車体後部に横に載せれば担架も運搬することができる。細かいスペックは不明だが、スピード、馬力もあり、オフロードの走行も苦にしなそうだ。
軍用三輪車というと、第二次大戦中にドイツ軍が使っていた「ケッテンクラート」が有名だ。役目はKonungと一緒だった。それ以降、このような形状の三輪車を軍用で見ることは少なくなった。ベラルーシ軍がKonungを正式採用するかどうかはまだ不明だ。
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