核弾頭搭載可能な潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント2」を搭載するイギリス海軍ヴァンガード級戦略ミサイル原子力潜水艦の艦長が指揮任務中にポルノ動画を作成、部下に共有したとして解雇された。
イギリスメディア「The Sun」は11日、イギリス海軍ヴァンガード級原子力潜水艦の艦長が指揮任務中にセックスビデオを制作、それを乗組員の下級水兵に共有したため、解雇されたと報道した。他の乗組員によれば艦長と動画を共有した下級下士官は不倫関係にあったとされ、性行為の自撮り動画を送ったとされている。この問題が発覚後直ぐに、男性士官は艦長の任を解かれ、デスクワークに移動。その後、海軍は性的に受け入れられない行為に対する「ゼロ・トレランス政策(例外を許さないあらゆる政策)」に基づき、艦長を解雇したとSun紙は報じている。性行為が艦内で撮影されたかどうかは不明だが、英海軍の情報筋は、艦内での性行為自体は捜査の対象になっていないと述べている。
ヴァンガード級原子力潜水艦はイギリス海軍が保有・運用する戦略ミサイル原子力潜水艦で核弾頭搭載可能な潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント2」を搭載するイギリスの核抑止力政策の要になる。現在4隻が就役しており、攻撃に備え、常時1隻が任務に就き、24時間体制で運用されている。処分された艦長の氏名や階級は公表されていないがヴァンガード級潜水艦の艦長に最年少で就任した士官の一人だったと言われており、極秘任務の功績によって、アン王女から大英帝国勲章(OBE)を授与されている。イギリス海軍は慢性的な人材不足で特に潜水艦の乗組員が不足しており、ロシアとの緊張が増す中、戦略ミサイル原子力潜水艦という最も重要な職務を任せられる人材を失う事は英海軍にとって大きな打撃となる。しかし、それ以上に規律を重んじ、基準を満たさない行為は、階級や地位に関係なく処罰されることを英海軍は明確にした。