中国解放人民軍は国内メディアを通じて開発を進める小銃タイプのレールガン(電磁誘導銃)を公表した。
世界各国で開発が進むレールガン。米軍でもミサイル駆逐艦ズムウォルトに搭載する計画もあったが、研究は頓挫しており、実用化に至ってはいない。そんな中、中国でも着々とレールガンの開発は進められていた。今回公表されたのは歩兵が携帯できる小銃タイプのレールガンになる。「小型同步線圈電磁感應槍」( Small Synchronous Induction Coilguns, )と呼ばれるこの銃は人民解放軍陸軍大学で開発された。映像では数枚の板や金属板を貫通する威力を披露しているが、まだプロトタイプ版になり、射撃も近距離からだ。まだ中距離からでは十分な威力が無いと見える。この段階で披露したことは国内外へ、レールガンが実用化に近づいているという牽制とアピールの側面が強いのだろう。今回の小銃タイプ以外にもレールガン兵器の開発を進めており、戦車や艦船への搭載を計画しているほか、三隻目の空母には電磁カタパルトの搭載を計画しているといわれている。
レールガンとは
レールガンとはビーム砲みたいなイメージを想起させる名前だが。弾丸を発射するという点において従来の銃や大砲と大きく変わらない。ただ弾丸を発射する仕組みが異なっている。銃の中には電気伝導体製のレールがあり、その間に電流を通す電気伝導体の弾丸を挟み、電流によって弾丸とレールの間で発生する強力な磁場の力で弾丸を加速、発射させる。この銃のメリットは初速と飛距離の大幅な増加が期待できるのと、火薬が必要ないので、弾丸を軽量化できる。従来の発射機構も要らないので銃の軽量化、短縮化も期待できる。そして、火薬やガスが発生しないので発砲音が非常に静かだ。小銃化できれば特殊部隊など極秘任務に最適な銃になるだろう。自衛隊においても陸上装備研究所が開発を進めている。