ウクライナが開発した低コスト巡航ミサイルTrembitaはロシア軍の防空システムを消耗させます

ウクライナが開発した低コスト巡航ミサイルTrembitaはロシア軍の防空システムを消耗させます

ウクライナのスタートアップ企業がパルスジェットエンジンを搭載した低コスト巡航ミサイル「Trembita(トレムビータ)」を開発しました。このミサイルはロシア軍の防空網を消耗させることが期待されています。

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Trembitaミサイルの特徴はパルスジェットエンジンを動力源にしている点です。これは構造が単純で、市販されている材料からでも製造が可能です。エンジンはレギュラーガソリンで稼働、ミサイル自体に可動部品もなく、ある程度、金属加工やメカニックの知識経験があればDIYレベルで作成でき、低コストと大量生産可能な点が最大の売りです。ミサイルはグライダー型で発射にランチャーなどは必要とせず、カタパルトから発射されます。技術的には第二次大戦時の初期ミサイルと同じレベルで、構造的にはドイツ軍が使用していたV1ミサイルと同じです。V1ミサイルもパルスジェットエンジンを搭載、巡航ミサイルの始祖と言われる兵器で、主に海を挟んだ対岸のイギリスへの攻撃に使用されました。

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目的はロシア軍の防空システムを消耗させること

Trembitaの誘導装置は慣性誘導とGPSといった簡易的なものでセンサーや光学機器といった高度な誘導装置は無く、ピンポイントで標的な狙うといった現代的なミサイルではありません。そもそもTrembitaはそのような使い方を目的としていません。Trembitaはウクライナの”伝統楽器なラッパ”の名前になり、大きな騒音と熱信号を発しながら最大速度400km/hという低速で飛行する敵に発見されやすいミサイルです。しかし、それが狙いです。ミサイルを発見したロシア軍は撃墜せざるを得ず、防空ミサイルS-300やS-400を起動させ、Trembitaを迎撃します。Trembitaは説明したようにDIYでできるような簡易的な兵器です。おそらく自爆ドローンよりも安価です。それを撃墜するために、ロシア軍は数千万から数億にもなる防空ミサイルを使う羽目になります。

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ロシア軍は部品不足で満足に量産が進まず、ミサイル不足が続いており、防空ミサイルでさえも地上攻撃に利用している状況であり、Trembitaはロシア軍のミサイルを更に消耗させることを狙っています。Trembitaは精密攻撃はできませんが、20kgの弾頭が搭載されており、一度に複数を発射することで、飽和攻撃を行うことを考えており、撃墜しなければロシア軍陣地が攻撃を受けます。Trembitaにとっては撃墜されてもされなくても攻撃は成功になります。

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