中国の公営テレビ、中国中央電視台(CCTV)は中国人民解放軍の小爆弾・地雷を散布するディスペンサー(装置)、いわゆるクラスター爆弾の映像を公開しました。
グローバルタイムズの報道によると、この爆弾は航空機から発射する地対空誘導爆弾です。中に数百個の小型爆弾、地雷を搭載し、地上の広範囲に射出させることができます。主に空港滑走路の無効化を目的としています。
この発射体には可動式の翼と6つの尾翼が付いており、これにより揚力と制御力を向上しています。四角形の形は容量を最大限活かすことができ、爆弾を大量に搭載することができます。且つ、平らで滑らかなボディはレーダーを乱反射させ、レーダー探知を防ぐステルス効果を狙ったもので迎撃を難しくしています。
航行距離は60kmで射出する機体は空港の対空兵器圏外から発射することができます。500㎏クラスの重量を擁し、小型爆弾、地雷、貫通弾など6種類、240個の爆弾を搭載できます。単純に滑走路を破壊する場合は小型爆弾、滑走路の修復を遅らせるためには地雷、駐機する航空機や車両の破壊には貫通弾など目的によって搭載する爆弾を変更します。爆弾の効果範囲は6,000平方メートルと東京ドームの1.5倍と広範囲になります。
500 kilo Munition Dispenser, capable of carrying cluster and other guided munitions. Chinese Verison of The JSOW@jpg2t785 @RupprechtDeino pic.twitter.com/r6W5I06soB
— Hao Gao 🇷🇺 🇨🇳 🇰🇵 🇯🇵 🇺🇸 (@HaoGao12) August 15, 2020
これが投下されれば、滑走路はしばらく無効化され、航空機の離発着ができなくなり、周辺空域の航空戦力を失うことになります。中国がこの手の兵器を公開した狙いとして、米国が台湾にF16戦闘機66機を売却することに対して牽制する狙いがあるとされ、離陸することも着陸することもないというメッセージを暗に示しています。
このような大量の爆弾をばら撒くクラスター爆弾は現在「対人地雷禁止条約(オタワ条約)」によって禁止されています。しかし、中国をはじめとしたアメリカやロシア、インドなど大国は加盟していないのが実情です。