人工知能(AI)を搭載した無人機や無人車両の開発で先行するロシアでAIを搭載したアサルトライフルの開発が始めっているとロシアメディアのRIA通信が報じました。
ロシアの大手銃器メーカー”カラシニコフ”社のチーフデザイナーであるSergey Urzhumtsev(セルゲイ)氏がRIAのインタビューに語ったところによると、AIを搭載ライフルの個々の要素はすでに開発されており、それらは今年8月にロシアで開催された国際軍事技術フォーラム2021で非公開展示の一部としてロシア国防大臣に初めて示されました。
兵士は銃を構え引き金を引くだけよい
セルゲイ氏によると開発中のライフルは人工知能の助けをかりてターゲットの検出、識別、照準、追跡、およびショットまでのプロセスをほぼ完全に自動化することがすでに可能になっています。最新の技術により、悪天候下でも検出範囲が広く、夜間や悪天候時で人間の目の検出、識別できる距離が極端に制限される中でもAIが代わって検出、識別、照準まで行うことで、視界不良時でも素早く敵を検出することができ、射手は引き金を引きターゲットに発砲する許可を与えるだけです。
射撃能力は銃の性能とともに本来、射手の能力に大きく依存します。しかし、AIが標的の検出から照準まで行うことで、射手の能力に依存しない、一定レベルのライフル兵を短期間で創出することができるようになります。また、識別まで行うということはフレンドリーファイアや民間人への誤射を防ぐことになります。だが、その識別の精度をどこまで上げられるかが課題の一つでもあります。
AIを搭載した個人装備はイスラエルなどでも開発されていますが、今のところスコープなど光学機器に搭載され、それをライフルに装着する形です。カラシニコフ社が検討しているのはAIを含む電子機器が一体化したライフルであり、まさにアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』のドミネーターのような銃かもしれません。
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https://radiosputnik.ria.ru/20210922/oruzhie-1751239325.html