パキスタン空軍が保有する中国製のJ-10C戦闘機とカタール空軍が保有する欧州製のユーロファイター・タイフーン戦闘機が演習でドッグファイトを行った。
PAK-QATAR JOINT AERIAL EXERCISE "ZILZAL-II" KICKS OFF IN QATAR
— DGPR (AIR FORCE) (@DGPR_PAF) January 10, 2024
10 January, 2024: Pakistan Air Force and Qatar Emiri Air Force are all geared up to participate in joint aerial Exercise Zilzal-II, commencing in Qatar. First held in the year 2020, Zilzal-II air exercise is the 2nd… pic.twitter.com/lI5GHohjL5
1月10日、パキスタン空軍は、カタール主催の軍事演習「Zilzal-II」でJ-10C戦闘機がカタール空軍のユーロファイター・タイフーン戦闘機と共に共同航空演習に従事していると発表した。演習では両軍が共同で自軍の戦闘機の性能を実証したと述べており、実際の戦闘を反映した「現実的な航空戦シナリオ」を想定、両空軍の作戦即応性を評価するために模擬戦闘としてドッグファイトを実施。パキスタン軍の発表によれば、パキスタン空軍の最新鋭戦闘機である中国製のJ-10C戦闘機は英独伊西が共同開発したカタール空軍のユーロファイター・タイフーンに対抗する能力を実証したと発表した。
J-10とは
J-10は、中国の成都飛機工業公司が開発生産する多用途戦闘機。1990年代初頭に初飛行し、2005年に中国人民解放軍空軍で運用が始まった。中国の戦闘機というとソ連/ロシア製の影響を受けたものが多いがJ-10は西側製戦闘機に似ており、カナード付きのデルタ翼、ノズル付きのエアインテークとアフターバーナーを備えている。エンジンはシングルエンジンで、当初、ロシアのAL-31Fエンジンを搭載していが、後のバージョンでは国産のWS-10エンジンにアップグレードされている。最新のJ-10Cモデルにはフェーズドアレイレーダーが搭載されるなどアビオニクスが高度化されている。
パキスタン空軍に配備されているのはJ-10Cになり、2022年3月から就役している。J-10Cは敵対するインドのフランス製のラファールに対抗するために採用されとされている。タイフーンとラファールはもともと開発時の出発点は同じであり、パキスタンとしては今回の演習でJ-10Cがタイフーンと対峙することでインド空軍のラファールに対抗できるのかを確認したかったのかもしれない。