国連が掲げる「持続可能な開発目標（SDGs）」。様々な分野で推進、対応が進められているSDGsですが、それは軍事分野にも及んでいます。資源効率の高い低炭素経済を通じて持続可能な成長への移行をサポートする企業ExoTechnologiesは再利用可能な複合素材DANUで作られた防弾素材「ExoProtect（エキソプロテクト）」を開発しました。
再利用可能な防弾素材
ExoProtectは”DANU“と呼ばれる新しいバイオ複合素材を使用しています。この素材はスチレンを含まない樹脂と再生利用可能な繊維から作られています。ステンレスやグラスファイバーよりも強くて軽く、炭素繊維ほどもろくありません。防弾素材としてよく使われるケブラー素材は水、特に洗剤や海水によって強度が損なわれる可能性がありますが、DANUは水によって損なわれることはなく、温度や湿度の変化にも強く、腐食することもありません。
強度を保ったまま成形可能であり、船舶、戦闘車両、航空機の形状に合わせて正確に形成できるため、ボディの強度を高めたり防弾装備として使用できます。また、プレートキャリアの防弾プレートなど人員の保護素材にも利用できます。
防弾性能に関しては、NIJ規格IIIおよびIIIAの弾道抵抗基準を満たし、 NIJ規格IIIはライフル弾の7.62mm弾を防ぐ強度です。爆発性の破片に対する弾道耐性も有し、複数のショットから保護します。テストは独立したラボによって実施され、複数回のテストに合格。ExoProtectが小型武器からの保護に関する業界標準を満たしていることを示しました。
そして、冒頭で述べたように再生利用可能な素材を使用しているため、役目を終えた船舶や車両のExoProtectは廃棄せず、リサイクルすることができる環境に優しく持続可能な素材になります。
地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけるSDGsに戦争や争いの道具が対応するのは野暮なような気がしますが、世界的な SDGsの流れは兵器開発にも対応を迫られるかもしれません。
Source
https://exo-tech.com/exoprotect/
https://exo-tech.com/danu/
https://www.army-technology.com/news/exoprotect-composite-sustainable-bulletproof-ballistic-resistant/
