切り刻む暗殺用忍者ミサイル、ヘルファイアAGM-114R9X

爆発しない忍者ミサイルことヘルファイア「AGM-114R9X 」
Photo by us army

米軍では標的だけを殺傷するために炸裂しないミサイル「AGM-114R9X 」を開発した。これはヘルファイアミサイルを改良したもので、弾薬の代わりに弾頭にブレード(刃)を搭載し、標的を切り刻むミサイルになり、通称「ニンジャミサイル(ninja missile)」と呼ばれている。

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二次被害を与えないミサイル

誘導兵器であるミサイルは発射後標的に向かって遠隔操作、または自律誘導によって標的を確実に捉える事ができる精密兵器になる。砲撃や爆撃と比べると精度は格段に高く、誤爆を防ぎ二次被害も軽減できる。とはいっても弾頭には榴弾・高性能火薬が搭載され、着弾爆発すれば爆心地から半径数十、数百メートルに影響を及ぼし、人口密集地で使えば標的以外にも被害を及ぼしてしまい、過去何度も関係ない一般人を巻き込み悲劇を生んでいる。

そこで、2011年にオバマ大統領は爆発しない新型ミサイルの開発を命じる。ベースになったのは地対空ミサイルとして使用されていた「AGM-114ヘルファイア(写真上)」。攻撃ヘリや戦闘機などマルチプラットフォームに搭載でき、最近では無人航空機にも搭載され、上空からのミサイル爆撃に使用されている。

ヘルファイアの全長は人とほぼ同じ160~170cmという大きさで約50㎏の重量。通常のヘルファイアの弾頭には爆薬が搭載され、着弾すれば打撃と爆発によって対象を破壊する訳ですが、忍者ミサイルことR9Xの弾頭に爆薬は入っていない。爆薬の代わりに搭載されたのは6枚のブレードになる。R9Xは着弾しても爆発せずにミサイルの運動エネルギーとブレードの衝突によって標的を殺害する。これにより周囲への副次的な二次被害を極力最小限に抑える事ができる。

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実際に使用されたケース

2017年に秘密裏に配備され、公になったのは2019年とつい最近になる。これまでに2000年の米海軍駆逐艦コールの爆破事件の首謀者とされたジャマール・アフマド・モハマド・アル・バダウィ、アル・カーイダ指導部の一員であるアブ・カイル・アル・マスリの殺害に使用されている。

6月にはシリアのイドリブでR9Xによる攻撃がSNSに投稿された。標的となった車にはアルカイダの重要メンバー2人が乗っていたとされ、車は爆発せずに切り刻まれたような跡が残っている。回収されたミサイルの残骸にはR9Xの記載が見える。爆発、炎上しないので現場の悲惨さは想像するまでもない。

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https://www.jpost.com/middle-east/was-the-us-secretive-ninja-missile-used-again-in-syria-saturday-632232

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