対戦車ミサイル「ジャベリン」は2050年まで米軍の兵器庫にあるとペンタゴンは述べている

対戦車ミサイル「ジャベリン」は2050年まで米軍の兵器庫にあるとペンタゴンは述べている
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ロシア・ウクライナ戦争で大きく評価を上げたアメリカの対戦車ミサイル「Javelin(ジャベリン)」。アメリカ国防省は更なる増産と2050年まで米軍の武器庫に留まることを示唆しており、それに合わせてジャベリンもバージョンアップされる。

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米国務省はウクライナの支援として多数のジャベリンを送っている。侵攻開始から2か月だけで5500発程度を送っており、その数は現在1万を超えているのではとされる。これは米軍の在庫の3分の1以上を占める。そこで米国防省は消費したジャベリンを補充するために製造するレイセオン社とロッキード・マーティン社の合同会社ジャベリン(Javelin Joint Venture)に対し、5月に1,300発以上のジャベリンを納入するための3億900万ドル相当の契約を授与。そして、9月に1,800発以上、3億1,100万ドル相当の追加契約を授与している。これらの調達はウクライナへの追加支援分、陸軍の在庫の補充、ノルウェー、アルバニア、ラトビア、タイを含むいくつかのパートナー向けの販売分が含まれている。

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年間生産量は最大2100発

少なくとも3,100発以上の生産契約を結んだわけだが、合弁会社ジャベリンの生産能力は年間2100発しかない。現在、工場をフルタイムで稼働し、生産量の増加、リードタイムの短縮を図っているが、需要に対して供給が間に合っていない状況だ。そこで、生産ラインの増設など生産量を増やす予定であり、年間生産能力は4,000発まで拡張される。

発射ユニットはバージョンアップ

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ジャベリンの発射ユニットであるLWCLU(Light Weight Command Launch Unit)も6月に生産契約を授与されている。LWCLUは再利用可能な発射ユニットであり、ジャベリンの根幹となるパーツだ。今回生産されるLWCLUは軽量化された改良版になる。これまでのユニットに比べ、サイズを30%、重量を25%削減、単体であればバックパックにも納まる大きさで兵士が持ち運びやすくなっており、機動力が大幅に向上する。新しいセンサーや光学機器が搭載され、検出・認識性能は2倍に。操作性も向上される。軽量化版はまだテスト中で初期生産は200ユニットになり、2025年の納入を予定。2023年からフルレート生産に入り、そうなれば年間生産量は600ユニットに増える。米国防省は2050年まで米軍の武器庫にあることを公式に示唆しており、それに合わせてジャベリンもバージョンアップされていくことになる。

アメリカはロシアの侵攻前から、ウクライナに多数のジャベリンを提供。侵攻開始後はその数を増大させていた。初期の防衛戦においてジャベリンは多いにその性能を発揮。多数のロシア軍戦車を始め、戦闘車両を葬り、その活躍から「聖・ジャベリン」と呼ばれ、崇拝されることに。また、ロシア戦車への有効性を示したことで、兵器としての価値も大いに上げており、世界で需要が増えている。Javelin Joint Ventureは50,000を超えるジャベリン ミサイルと12,000を超える発射ユニットをこれまで生産してきた。

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Source

https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3159196/javelin-replacement-contract-awarded/

https://news.lockheedmartin.com/09-14-22-Us-army-awards-the-javelin-joint-venture-311m-production-contract

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