映画『エンド・オブ・ステイツ』で登場した自爆ドローンの群れをご存じでしょうか?これが実現するかもしれないドローンが開発されました。中国の中国電力研究所(チャイナエレクトロニクステクノロジー)は「蜂群(スウォーン)」と名付けられたドローンの発射テストを成功させました。これは、群れとなって敵を攻撃する能力を有するカミカゼドローンと呼ばれる攻撃ドローンです。
蜂の群れを意味するドローン
公開されたテスト映像では車両に搭載されたロケットランチャーのような発射管が搭載された発射台から蜂群ドローンが射出されます。これは一度に48機ものドローンを発射できます。さらにヘリから投下された発射管からドローンが展開する様子も映し出されており、陸上・空中双方からの蜂群ドローンの展開能力を示しています。車両発射システムと空中発射システムは、攻撃ドローンを迅速に大量に展開できること示しています。
更に特徴すべきは、蜂群の名前の由来でもある、ドローンが群れを成すことです。一度に数十機放たれたドローンはネットワークで統合連携され、正確なフォーメーション構成します。これらのフォーメーションは偵察など用途に応じて自由に変更可能です。蜂群ドローンは一度に200機を発射、連携でき、まさに巨大な蜂の群れを形成することが可能です。
蜂群ドローンには戦車や装甲車両を破壊するのに必要な破壊力がある弾頭を搭載することができます。ドローンごと弾頭して標的に体当たりする攻撃ドローン「カミカゼドローン」として利用が可能です。数機のドローンなら撃墜できるかもしれません。しかし、200機のドローンが迫ってきたらどうでしょう。全てを撃墜するのは不可能といってもいいでしょう。
スペック
蜂群の詳細なスペックは不明です。同社が開発したTY-3UAVを採用しています。それと同じ設計のAerospaceRainbow UAVが開発したCH-901のスペックによると胴体の長さは1.2メートル、重量はわずか9kgしかありません。バッテリー駆動のリア2ブレードプロペラ、折畳み式の2つのウィングを採用。最高速度は150 km/h。航空機の戦闘半径は15 km、航続時間は120分です。低高度飛行が可能で群れをなす蜂群を防空システムで撃墜するのは非常に困難です。