Mi-8が無人機を撃墜!ウクライナ軍はヘリによる無人機・ドローン対策を強化

Mi-8が無人機を撃墜!ウクライナ軍はヘリによる無人機・ドローン対策を強化
Ukroboronprom

ウクライナ軍のMi-8多用途ヘリによる無人機・ドローンの撃墜がここ最近増えている。ウクライナ軍はMi-8の機首に通常は搭載しない機銃を設置するなどして、ヘリによる無人機・ドローンの迎撃能力を強化している。

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ウクライナ軍は8月22日、Mi-8多用途ヘリコプターが機首の銃座の7.62mm機銃で機関銃手がロシア軍の自爆ドローン「Shahed-136」を撃墜する動画を公開した。ドローンは銃弾の直撃を受け爆発、目標地点に到着する事はなかった。これまで、無人機の撃墜は主に防空ミサイルが担っていたが、ヘリによる空対空戦で撃墜するケースは珍しい。そもそもMi-8は攻撃型のヘリではない。今回、機首の銃座の機銃で撃墜しているが、輸送や偵察、観測といった後方支援が主な任務のMi-8が機首の銃座を使用するケースは少なく、普段は取り外している。

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また、この撃墜から数日後、同じくMi-8ヘリが機銃でShahed-136を撃ち落とす様子が公開される。今度は機首の機銃ではなく、機体側面の窓に設置された7.62mm FN MAG機関銃でMi-8の左側を飛行するドローンを攻撃。ドローンは白煙をあげながら降下していった。

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また、8月26には、同じくMi-8がShahed-136を撃墜する様子が地上から撮影されている。ドローンを後方から追尾するMi-8。銃声がするとドローンは降下していき、地上に落下、爆発した。Mi-8とドローンの位置的に機首の機銃で撃墜したと推測される。

また、Mi-8以外にもMi-24ハインド攻撃ヘリがドローンを迎撃する様子も捉えられている。

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このようにヘリによる無人機・ドローンの撃墜事例がここ数日間で飛躍的に増えており、ウクライナ軍が無人機・ドローン対策にヘリの活用を見出したと思われる。音速で飛行する戦闘機が相対的にスピードの遅い無人機を空対空戦で撃墜するのは容易ではない。その点、回転翼機のヘリコプターは低速飛行が可能で、無人機よりも早く飛行できる。ちなみにShahed-136の最高速度は185km/h、それに対し、Mi-8の巡航速度は180km/hで、最高速度は250km/hと相対速度は等しい。無人機・ドローンを迎撃するためにヘリコプターを使用することは効果的なことが分かる。

ただ、だからといって迎撃は簡単ではない。固定翼機のように高速飛行できないので、レーダーが発見しても、ヘリから目標まで距離があれば迎撃は不可能だ。また、攻撃も今の所、機関銃手による目視手動照準。その上、飛行中という不安定な環境で行うことになり、撃墜に成功するかどうかは機関銃手の技量に依存する。

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ただ、これが上手くいけば、貴重な地上の防空ミサイルを節約することができる。数百万円の自爆ドローンに数千万以上するミサイルを利用するのはコスパが悪く、ミサイルはそう簡単に大量生産できないため、在庫は多くない。ミサイルは最終防衛網として、中間地点で無人機をヘリで撃墜できればベストであろう。Shahed‐136の飛行距離は1000km以上で、大抵ロシア国内から発射され、長距離飛行してくるので、早く検知できれば、飛行経路に先回りすることができる。ただ、ミサイルであればドローンを空中で爆破できるが、ヘリの機銃の場合は破壊までは至らず、地上に落下、その後、弾頭が爆発するケースも多く、地上の施設や建物、民間人に被害が出ないよう、攻撃時は場所を選ぶ必要がある。

低速低高度飛行するヘリコプターは携行式防空ミサイルによって撃墜されるケースが相次ぎ、ロシア・ウクライナ両軍ともに現在は前線での利用を控えている。

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