北朝鮮、ロシア・ウクライナ戦争に参戦!派兵される特殊部隊「暴風軍団」とは?

韓国国家情報院(国情院)は18日、北朝鮮がロシアの戦闘支援に朝鮮人民軍の4個旅団、計約1万2000人を派兵することを決定したと報告した。派兵される部隊は第11軍団、通称「暴風軍団」とも呼ばれる特殊作戦軍隷下の精鋭部隊とされている。

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ウクライナのゼレンスキー大統領は今月14日、北朝鮮がロシア支援のため、兵の派遣準備を進めていると指摘。ウクライナメディアは3000人規模の部隊をウクライナが制圧するロシア領内のクルスク州などに投入する可能性があると指摘。また、任地から逃亡した北朝鮮兵が18人いると明らかにした。この時、まだ確固たる証拠はなく、情報戦の一部かと思われたが、今回、韓国の情報機関である国情院が北朝鮮がロシアの戦闘支援に朝鮮人民軍の4個旅団、計約1万2000人を派兵することを決定したと公式に報告したことで、情報の信ぴょう性が増した形だ。

韓国大統領府は18日、尹錫悦大統領が北朝鮮のロシア派兵に関する問題を協議するため緊急安全保障会議を開催したとも発表している。既に1500人の北朝鮮兵がロシアに到着した事が確認されており、ロシア軍の迷彩服を着てロシア式の装備を受け取る北朝鮮兵らしき映像がSNS上には出回っている。彼らは適応訓練を終えたのち、ロシア軍に編入されるとされる。

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ロシア軍には友好国や貧しい途上国から多数の外国人が参戦しているが、一応、名目上は義勇兵・志願兵という形。しかし、今回、北朝鮮が派兵するのは朝鮮人民軍の正規兵。つまり、これはロシア・ウクライナ戦争に北朝鮮が事実上、参戦する事を意味する。ただ、北朝鮮が参戦となれば、NATOが黙っていないだろう。それもあってか、北朝鮮兵の派兵地域はウクライナが制圧するロシア領内のクルスクとされている。ロシア領内に限定することで、参戦という指摘をかわす狙いがあるとされる。また、北朝鮮兵には容姿が似たシベリア系住民の偽造身分証が配布されているとされ、捕虜になった際の隠蔽工作も図られている。

そして、ウクライナ軍にとって非常に厄介なのが、北朝鮮が派兵を計画している部隊が「第11軍団」であること。通称「暴風軍団」とも呼ばれ、特殊作戦軍隷下の精鋭部隊になる。

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第11軍団「暴風軍団」とは

韓国と比べ、兵器の性能に劣ることを悟った北朝鮮は兵員のスキルによって戦力差を埋めようと考え1960年代に朝鮮人民軍陸軍内に特殊部隊を創設。その一つが「第11軍団」こと通商「暴風(ポクプン)軍団」になる。「稲光(ポンゲ)」と呼ばれる4つの軽歩兵旅団と、「雷鳴(ウルェ)」と呼ばれる7つの空挺機動歩兵旅団、「雷(ピョラク)」と呼ばれる3つの偵察狙撃旅団の計14旅団で構成され、全体の兵力規模は4万~8万人と韓国軍当局は推定している。今回、この中から4旅団、1万2000名が派兵されるという報告だ。どの部隊が派兵されるのかは不明だが、主力となるのは軽歩兵旅団と推測される。同旅団は暴風軍団の主力だ。前方配備部隊と後方配備部隊に分かれており、前方配備部隊はDMZ近くに配置され、常に臨戦態勢にあり、韓国侵攻となれば、真っ先に国境を超え、侵攻する。空挺機動歩兵はその名とおり、空から敵陣地に降下する急襲部隊だが、ウクライナでパラシュート降下することは無いだろう。

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偵察狙撃は偵察と狙撃任務を主とし、先行して敵領内に潜入しスパイ活動なども行う部隊で北朝鮮特殊部隊の中でもエリート部隊になり、その実力はアメリカ特殊部隊とも同等と言われている。ゲリラ戦や暗殺、心理戦、偽装、破壊工作に長けている。また、隊員は全員、英語を喋れることが必要になる。ただ、貴重な部隊であるため今回の派兵には含まれないかもしれない。ウクライナとしては1万人以上の兵力が追加されるだけでも厄介なのに、派兵されるのが職業軍人、しかも特殊部隊という点。ロシア軍の動員兵や囚人兵とは違い、スキルも戦闘意欲も高い。

朝鮮人民軍の特殊部隊の兵力は他の特殊部隊と合わせると男女合わせて20万人と言われ、世界でも最大規模の特殊作戦軍を持つ。このうち15万人が実戦部隊とされ、彼らの多くは普段、韓国との軍事境界線(DMZ)近くに配備されている。

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