戦車40両、駆逐艦12隻のみ!英軍は戦争できる状態ではない

戦車40両、駆逐艦12隻のみ!英軍は戦争できる状態ではない
British Army

イギリス陸軍と海軍が持つ戦車と艦艇の内、現状、戦闘準備を備えているのは僅か40両の戦車と12隻のフリゲート艦・駆逐艦しかないことが分かった。もし、仮に今、ロシア軍に攻め込まれてもイギリス軍は対応できる戦力を持っていない。

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イギリスメディアのデイリーメールの報道によれば、英国国防参謀長アンソニー・ラダキン提督は最近開かれた議会での演説で、英陸軍には現在、約200両の戦車が配備されているが、その内、戦闘準備が整っているのはわずか20%であることを認めた。海軍も同様で、17隻のフリゲート艦と駆逐艦のうち12隻しか戦闘準備ができておらず、2隻体制の空母も実質1隻しか稼働できていない。もはや、世界最強と言われたイギリス海軍の面影はない。このような状態に英国のマスコミは、イギリス軍がナポレオン戦争(1803~1815)以来最も規模が最小になったことを認めている。

もちろん、イギリス軍のトップは状況に満足しておらず、陸軍と海軍の戦力の改善が必要であることを認めている。先日の下院国防委員会では英陸軍が車両と大砲を伴う完全装備の約17,500人の師団を同盟国に提供できるという主張に対し、「NATOに戦闘部隊を提供できると示唆するのは空想だ。」と指摘された。

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戦車の戦闘準備率

英陸軍は200両のチャレンジャー2戦車を保有している。2018年には、その内、約150両が戦闘可能な状態にあった。稼働率としては70%前後で良好な数値だった。しかし、そこからわずか数年で戦車の戦闘準備率は恐ろしい勢いで低下していく。2019年には120両、そして、2020年には96両と遂に50%を切った。そして、2023年には40両と僅か3年で半分になっている。ウクライナに戦闘準備にあった車両14両を提供しているものあるが、それを差し引いても低下率は激しい。英陸軍は現在、チャレンジャー2戦車をバージョンアップする「チャレンジャー3戦車」の計画を進めている。改修決定時に227両あったチャレンジャー2の内、148両をバージョンアップする事を決め、残りの79両は退役を予定している。改修は2030年までに終える予定で、改修が進めば、自ずと戦闘準備率は上がるかもしれないが、今後数年は低稼働率が続くかもしれない。

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海軍の艦艇数

45型駆逐艦
Royal NAvy

フォークランド諸島の領有を争って、アルゼンチンと軍事衝突した1982年のフォークランド紛争。この時、イギリス海軍は2隻の空母を含む115隻の艦艇を同海域に集結させ、勝利を収めた。しかし、今の海軍の就役艦は2023年4月時点で70隻まで減少している。その内、主要な戦闘艦は空母2隻、ミサイル駆逐艦6隻、フリゲート艦11隻、水陸両用輸送ドック2隻、原子力潜水艦10隻になる。かつて、世界の海洋の覇権を握っていたとは思えない戦力だ。

これら戦力減少の要因は2010年代から始まった防衛予算の削減だ。1988年に対GDP比4.1%あった軍事費は2023年では2.22%まで下がっている。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界の安全保障状況が変わったことで、防衛費の増額を決定、2030年まで対GDP比3.0%までに上げる事をスナク首相は表明している。

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Source

Britain has just 40 tanks and around a dozen frigates and destroyers ready to go war | Daily Mail Online

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