ロシア軍は戦争で負傷した兵士を傷がまだ癒えない、障害を負った状態で戦線に戻しており、親族が激怒しているとロシアの独立系メディアが報じた。
ロシアの独立系メディアiStoriesの報道によると、ロシア軍はウクライナ戦線で重傷を負ったり、障害を負ったりした負傷兵を現在、前線で再び戦わせるために送り戻していると報じた。しかも、傷がまだ癒えていない状態でだ。ロシア国防省は11月末、負傷兵を前線に戻すために軍隊採用時の健康診断手順の変更を提案した。提案された修正案は、「軍事作戦の経験」を考慮することを目的とし、 ”兵役の義務を遂行する能力に重大な影響を与えない”病気や障害は除外。また、負傷の重篤度に関わらず、前線での戦闘経験を持つ負傷兵については再配置の対象とするよう求めた。その結果、負傷して療養連隊に送られていたロシア兵は軍事医療委員会の診断、十分な医療を受けることもなく、突撃部隊の前線に戻されているという。
例えばミハエルという兵士は2023年4月に破片によって、足の骨に穴が開く重傷を負った。彼は回復期に療養連隊に配属されたが、妻によると、そこでは適切な治療を受けられなかったという。彼は当初、適切な検査なしで、外傷度を「B」と判定され、制限付きで戦線に戻されたが、その後、別の医師からは「A」と判断され、その結果、彼は現在、杖をつきながら前線で任務を遂行しているという。
ロシア国防省は昨年の動員時に軍務経験のない人や高齢者、障害者を招集し、問題となったが、志願兵の入隊年齢については現在撤廃している。徴兵の年齢対象も30歳に引き上げ、給与を10倍にするなど、あの手、この手で兵力の増加を図っている。12月にはロシア軍の兵士を17万人増やし、132万人規模とする大統領令にプーチン大統領が署名した。これは、それだけ兵士の損耗が激しい事の表れでもあり、米情報機関は12月、ロシア軍はウクライナへの侵攻を開始してからの約2年間で9割の兵力を失ったと報告している。報告書によるば、ロシア軍はウクライナに侵攻した兵士36万人のうち、31.5万人を戦場で失った。
Source