ロシアのカラシニコフ社のグループであるTriada-TKO社はロシア国防省と共同開発した新しい野戦戦闘服VKPO3.0のロシア軍への納入を開始したことを発表しました。新しい戦闘服の迷彩は米陸軍が採用するマルチカムに似たマルチ迷彩になります。
ロシアの銃器メーカーのカラシニコフ社の5日の発表によれば、同社のグループ企業であるTriada-TKO社がロシア国防省と共同開発した全天候型野戦服VKPO 3.0の納入を開始したとを発表しました。最初のバッチは夏用戦闘服をメインに数千人分の防水、防風の制服とキャップのセットが納入されます。
この新しい野戦服は、ロシア国防省の服飾供給部門の専門家とTriada-TKOと共同で設計された全天候型野戦服になり、フリース下着、フリースジャケット、デミシーズンスーツ、防水スーツ、断熱スーツ、サマースーツ、サマーキャップ、デミシーズンハット、ウィンタースカーフで構成されています。最新の人間工学的特性を取り入れ、周囲の風景に溶け込み新しい迷彩は兵士の隠蔽率を上げ、保護と機動性といった様々な点が改善されているとされます。
マルチ迷彩が世界のトレンド
この新しい戦闘服の迷彩、どこかで見覚えないでしょうか?そう、有名なマルチカム迷彩です。マルチカムはアメリカのクライ・プレシジョン(Crye Precision)社により開発された、複合的な条件下で使用するために設計されたマルチ迷彩パターンです。2019年から米陸軍の標準迷彩として採用されており、イギリス軍もクライ・プレシジョンと共同開発したマルチカムベースのMTP迷彩を使用、ベルギー軍も2022年末にマルチカムに変更しています。これまでの迷彩は特定の地形、環境に特化した迷彩で、環境が変わると迷彩効果が薄れてしまいましたが、マルチカムに代表されるマルチ迷彩は草地、都市部、砂漠または山岳地帯といった複数の環境でも迷彩効果を発揮します。これが現在の軍の迷彩の主流になっており、フランス軍も2024年から独自開発した新しいマルチ迷彩「BME」に切り替えます。ロシア軍もこのトレンドに乗ったと思われます。
ロシア軍の現在の戦闘服の迷彩は「デジタルフローラ」と呼ばれる細かいピクセル模様をあしらったデジタル迷彩になり、現在、ウクライナを侵攻するロシア軍兵士の標準迷彩です。基本は濃いグリーンをベースにしており、ロシアのツンドラや黒土といった環境に適した迷彩ですが、それ以外の環境ではあまり迷彩効果を発揮しません。デジタルフローラは2011年から使用されている比較的新しい迷彩であり、VKPO 3.0を標準戦闘として全て切り替えるのかは今のところ不明です。ロシアではFSBのスペツナズやワグネルの戦闘員などはマルチ迷彩の戦闘服を既に使用しています。
[adocde]Source
«Калашников» начал поставки нового обмундирования (kalashnikovgroup.ru)