478発のミサイルを搭載するロシア海軍最強軍艦アドミラル・ナヒーモフが復活する

478発のミサイルを搭載するロシア海軍最強軍艦アドミラル・ナヒーモフが復活する
wikipedia

ロシアのショイグ国防相は近代化改修中のキーロフ級原子力ミサイル巡洋戦艦 「Admiral Nakhimov(アドミラル・ナヒーモフ)」 の性能試験が2023年後半に予定されていると述べました。同艦は最大478発ものミサイルが搭載できるとされ、ロシア海軍最強の艦艇として恐れられています。

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ロシア国営メディアの5月30日の報道によれば、ショイグ国防相は「アドミラル・ナヒーモフの海上での性能試験は2023年後半に行われる予定だ。試験後の艦は北方艦隊の一部として任務を遂行し続け、2024年末までにはアップグレードを完了する。」と述べました。アドミラル・ナヒーモフのアップデートは最先端の装備と長距離高精度兵器の装備が予定されています。同艦は姉妹艦で北方艦隊の旗艦であるピョートル・ヴェリーキイと交代するとされています。

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最大478発のミサイルを搭載

全長252m、幅28.5m、満排水量2万8000トン、最高速度30ノット(55km/h)のアドミラル・ナヒーモフには目的と種類がことなる最大478発のミサイルが搭載できます。最大20発を搭載するP-700 Granit対艦ミサイルは核弾頭も搭載でき、超音速のマッハ2.5で飛行、600kmの射程を有します。更に今回の改修によって射程1000km、マッハ9で飛行する”ツィルコン”、ウクライナでも使用されている”キンジャール”といった「極超音速ミサイル」、最大100km離れた潜水艦を無力化できるオトヴェト対潜ミサイルの搭載が噂されています。キーロフ級には長距離防空ミサイルのS-300が搭載されていますが、最新の防空ミサイルS-500に置き換わる可能性もあります。キーロフ級に200発以上の対空ミサイル(SAM)が搭載されています。近代化改修で10基以上の垂直発射システム(VLS)が追加される予定で、ミサイル発射能力は格段にアップします。

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20年以上停泊したままの船

ドックに入っているアドミラル・ナヒーモフ
mod russia

アドミラル・ナヒーモフはキーロフ級原子力ミサイル巡洋戦艦の3番艦としてソ連時代の1983年に建造が始まり、1988年にソビエト海軍に就役、北方艦隊に編入されます。就役当初はカリーニンという名前でしたが、1992年に現在のアドミラル・ナヒーモフに改名されています。就任後直ぐに、冷戦が終結、ソ連が崩壊すると、ほとんど出番がないまま1999年には保管状態に。2006年に近代化改修が決定し、改修工事が始まり、2012年には北方艦隊に戻る予定でしたが、改修が終わらず、改修自体が一旦中断します。2014年に改修が再開し、2018年の復帰を予定していましたが、結局、これも遅延。その後、何度か遅延を繰り返し、2020年8月にようやくドライドックから再進水。この時、2023年頃の試験を予定していたので、今回は予定通りに進んでいるようですが、これまでの経緯を顧みると、懐疑的な意見も多いようです。

キーロフ級は計4隻建造されましたが、同じく稼働を停止していた1番艦のアドミラル・ウシャコフと2番艦のアドミラル・ラザレフをロシア海軍は2020年までに再稼働させる計画を立てていたましたが、後に両艦の原子炉心の状態が悪く、使用済み原子炉の除去は困難で多額の費用がかかるとされ、解体が決定しています。現在、唯一稼働中で北方艦隊の旗艦である4番艦ピョートル・ヴェリーキイも維持費と改修費用が高いとして退役の噂が出ています。

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Source

Admiral Nakhimov battlecruiser to undergo sea trials in late 2023 — Defense Minister – Military & Defense – TASS

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