WW2以来!最も激しい戦闘を繰り広げた米海軍駆逐艦カーニー

US Navy

アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦USS Carney (DDG 64)は第二次世界大戦以来、最も激しい戦闘を中東イエメンの紅海で繰り広げ、60機のミサイルと無人機を撃墜した。

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米海軍の12月4日の発表によれば、2023年10月19日、USSカーニーは、第二次世界大戦以来、米海軍の軍艦としては最も激しい戦闘に参加した。中東バーレーンに司令部を置く第5艦隊の船として、カーニーは紅海にてイエメンの反政府武装組織フーシ派による、商船への攻撃を警戒していた。現地時間午後4時頃から、状況は突然変化する。停泊中に、「ウェザーデッキから退避せよ」というアナウンスを聞いたとき、「どういう意味だ?聞いたことない」とSPYレーダー技術者で、火器管制官2等兵曹のジャスティン・パーカーは回想している。アナウンスを聞いた直後、パーカーは、艦から発射されるミサイルの紛れもない音と艦首のMk.45 127mm単装砲の発射音を聞いたという。その日は実弾射撃訓練は予定されていなかったため、パーカーはすぐに何かがおかしいと気づいたという。Mk.45砲手補佐の1等兵曹のチャールズ・カリーは「アドレナリンがすごく出ました。これが現実の世界だったんです」と当時を振り返った。Mk.45は水上 (対水上戦 ASuW)、空中 (対空戦AAW)、および陸上攻撃 (NSFS) に対して使用される全自動艦砲だ。現代の戦闘機には通用しないが、低速、低高度を飛行するドローンや巡航ミサイルには有効。砲架には20発装填の自動装填ドラムマガジンがあり、火器管制システムにより毎分16~20発を自動発射、有効射程は24kmある。

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カーニーには複数の無人機・ドローンとミサイルが飛来。撃墜のため、Mk.45の他、高価な対空ミサイル、また、防空時の最終手段であるMk.15 20mmCIWSも使用されていることから、ミサイルまたは無人機が艦近くまで接近していた事が分かる。10時間に及ぶ戦闘の末、カーニーはイエメンのフーシ派が発射したドローン15機と巡航ミサイル4発を撃墜。これは、第二次世界大戦以来では、米海軍の軍艦にとって最も激しい戦闘となった。幸い艦に被害はなく、死傷者もいなかった。

パレスチナ・ハマスのイスラエルに対する攻撃の翌日である10月8日、カーニーは原子力空母ジェラルド・R・フォードと共に紅海への派遣が命じられた。10月19日の戦いは、カーニーにとっては紅海における最初の戦いとなった。2023年12月16日にはフーシ派のドローン14機による飽和攻撃を受けるも、迎撃に成功。その後、米第5艦隊司令官ブラッド・クーパー海軍中将が同艦を訪問し、紅海での「並外れた活躍」を称えられ5人の水兵に戦闘勲章を授与した。カーニーは7か月間に及ぶ任務中、51回の交戦を行い、少なくとも59機のミサイルとドローンを撃墜している。戦闘回数は第二大戦以降では二番目に多い数だ。2024年5月20日に母港であるメイポート海軍基地に帰還すると、乗組員全員に海軍戦闘行動リボンが授与された。この勲章を授与されるのは、1991年の湾岸戦争以来となる。航空迎撃管制官OSCノア・ウィックスは「歴史を作ったと知るのは本当に素晴らしいことだ。我々の艦は小型艦だが、世界に大きな影響を与えた」と述べた。

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アーレイ・バーク級カーニー

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アーレイ・バーク級は1980年代に開発が始まり、1991年から運用が始まったミサイル駆逐艦でイージスシステムを搭載するマルチミッション艦になり、空中、海上、水中の脅威に対応、 米海軍の艦隊の要となる船であり、これまで70隻が建造され、現在も建造中で最終的に89隻の建造を予定している。カーニーは同級の14番艦で1996年に就役した。

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WW2以来!最も激しい戦闘を繰り広げた米海軍駆逐艦カーニー
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