B-52の運用は100年を超え!?2050年代まで運用されます

B-52の運用は100年を超え!?2050年代まで運用されます
Photo US AirForce

1955年に運用が始まった「B-52ストラトフォートレス戦略爆撃機」。アメリカ空軍が運用する機体の中で最も古い機体は新型エンジンに交換を行い、2050年代までの運用が予定されています。 これはつまり、B-52が100年、つまり1世紀に渡り運用されることを意味します。

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アメリカ空軍は9月24日、1955年に運用が始まったB-52戦略爆撃機の「商用エンジン交換プログラム(B-52 Commercial Engine Replacement Program:CERP)」の請負業者としてイギリスのロールスロイス子会社”ロールスロイス・ノースアメリカ”を正式に選択したことを発表しました。現在、米空軍は76機のB-52Hを運用しており、1機あたり8基搭載されているエンジンをロールスロイス社のF-130に交換します。予備を含めて650基が供給され、その契約総額は当初の見積もり額100億ドルからだいぶ低くなった26億ドルになります。F-130は商用エンジンのBR725の軍用バージョンになり、C-37やE-11 BACNといった機体で既に運用されています。エンジン交換プログラムの目的はB-52の航続距離と燃料効率を最大40%改善すること、耐用年数の延長を目的としており、給油なしでの作戦行動範囲の拡大、少なくとも2050年まで運用可能な耐久性を得ることになります。さらに未燃焼炭化水素の排出削減、メンテナンスコストの大幅削減が見込まれています。その他の近代化プロジェクトには、クティブ・フェーズドアレイ・アンテナの交換、より高度な兵器の統合、およびアビオニクスの更新が含まれます。

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B-52

B-52は冷戦時、核爆弾を搭載して大陸間攻撃、戦略的爆撃を目的に開発された戦略爆撃機で、最大50,000フィートの高度を亜音速の高速で飛行、最大1.6万kmを飛行する長距離重爆撃機です。35トンの爆弾を搭載して飛行した場合でも時速845km/hで1.4万km飛行できます。1946年に開発開始、1952年に初飛行、1955年から運用が開始。最初の実戦参加は1965年のベトナム戦争になり、沖縄の米軍基地から飛び立ったB-52が北ベトナムに爆撃を行いました。その後、米空軍には1986年にB-1ランサー、1997年にB-2スピリットといった新しいステルス爆撃機が導入されますが、運用コストが低く、飛行時間が長く、多くの爆弾を搭載できるB-52は、その後も空軍の爆撃の要として活躍、後発のB-1の46%、B-2の60%よりも高い任務遂行率66%を誇っています。特に制空権を確保し、脅威となる対空兵器のない、イラク、アフガニスタンの戦いではその効率性から重宝されました。結果、B-52よりも新しいB-1とB-2は2030年代に退役が決定しています。爆撃機は今後、現在開発中の新しいステルス爆撃機B-21とB-52の2機による体制になります。

新しいエンジンを搭載したB-52Hのプロトタイプは2025年末までに空軍に納入され、その後、試験を経て2028年まで最初のロッドが納入。2035年までに全てのB-52Hが更新される予定です。その後、少なくとも2050年までは運用され、2055年まで運用が続けば、前代未聞の1世紀運用される軍用機となります。

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Source
https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/2788242/daf-awards-rolls-royce-b-52h-engine-contract/
https://www.forbes.com/sites/lorenthompson/2020/06/02/five-reasons-the-air-forces-b-52-bomber-will-be-the-first-jet-ever-to-stay-in-service-for-100-years/?sh=5f6431495ee6

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