就役前の黒海艦隊の最新鋭艦、ウクライナのミサイル攻撃によって損傷か

就役前の黒海艦隊の最新鋭艦、ウクライナのミサイル攻撃によって損傷か

ウクライナ軍は11月4日、クリミア半島東端のケルチに向けてミサイル攻撃を実施。これにより、黒海艦隊の最新鋭艦の一つであるカラクルト級コルベット艦Askold(アスコルド)が損傷したと報道されており、ロシア国防省も船名は公表していないが、ミサイルが船に命中したことを認めている。

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ウクライナ軍は11月4日、フランスから提供されたSCALP巡航ミサイル15発をクリミア半島東端のケルチ市にあるザリブ造船所に向けて発射した。ロシア国防省の発表によれば同地域のロシア軍防空部隊は内13発を迎撃、少なくとも2発が、造船所に着弾した。ロシア国防省は翌5日、ウクライナの攻撃により、クリミア半島の都市ケルチの造船所にあった船舶が損傷したことを確認したとを発表した。艦種、艦名は明らかにされていないが、ウクライナ海軍のアンドリー・リジェンコ大佐は、カラクルト級コルベット艦のアスコルドが損傷したと述べている。

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カラクルト級コルベット艦

ロシアではProject 22800と呼ばれるカラクルト級コルベット艦は1番艦が2016年に就役したばかりの新鋭艦でこれまでに13隻が進水、3隻が建造中になる。主に沿海域で運用することを目的に建造された沿海域戦闘艦で全長は67m、満排水量は800t。最高速度は30ノット (56 km/h)で、連続15日間、4600kmを航行する。

船は新鋭艦らしく、ステルス形状を取り入れており、マストには4つのフェーズドアレイ レーダーを搭載。武装は76.2mm速射砲にCIWS、Pantsir-M防空システム。そして、艦中央には垂直発射システム(VLS)が設けされており、8発のカリブル巡航ミサイル、もしくはP-800 オニクス超音速対艦ミサイルを搭載できる。カリブルは最大射程約2000-2500kmを誇り、黒海からであれば、ウクライナのほぼ全土を射程に収める。そのキャリアとなる船を損傷させることに成功した。損傷したとされるアスコルドは2021年9月に進水したばかりの船で、黒海艦隊所属の船だが、2022年10月に就役に向けた試験を開始したところで、まだ就役したという情報はない。アスコルドは修復不可能な損傷を受けたという情報もあり、一度も作戦に従事することなく、廃艦になる可能性がある。

ケルチはセヴァストポリに次ぐ、クリミア半島の軍港であり、黒海艦隊の拠点になる。セヴァストポリが頻繁に攻撃を受け、黒海艦隊の被害が増えていたこともあり、艦隊は東端にあるここケルチに主要艦を退避させていたが、今回、ここでも被害を出してしまった形だ。

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Source

https://kyivindependent.com/military-ukraine-damages-russian-cruiser-in-crimea/

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