ウクライナ国防情報総局 (GUR) によれば、ウクライナ軍は最近、トルコ製のバイラクタルTB2無人攻撃機2機の新しいバッチを受け取りました。更にTB2のウクライナ国内での生産に向けて動き出したとの情報もあります。
GURは1月26日、公式Facebookでトルコの無人機メーカーBaykar(ベイカー)社から、2機のバイラクタルTB2無人攻撃機を受け取ったことを発表しました。GURによれば、ベイカー社はウクライナ軍と人々を守るために2機を無償で提供しました。GRUは「我々の国にとって最も困難な時期に、ベイカーが妥協することなく、常に支援してくれたことに限りなく感謝している。」と謝意を示しました。
バイラクタルTB2は開戦当初の劣勢の中、ロシア軍に反撃、黒海艦隊の旗艦モスクワの撃沈、スネーク島の奪還に貢献しました。しかし、その後はあまり活躍を聞かなくなり、一時期、数十機あった機体の多くは6月までにロシア軍によってほとんどが撃墜されたとされ、現在、ウクライナ軍が何機を保有しているかは不明です。
ウクライナでの生産が承認
ウクライナはロシアの侵攻前からTB2を購入しており、さらにベイカー社とウクライナの国営防衛会社とが提携してウクライナ国内に工場を設け生産することにも合意していました。しかし、ロシアの侵攻が始まったことでプロジェクトは一旦ストップします。しかし、その後のTB2の活躍を受けて、ウクライナは工場を設置を熱望。しかし、紛争地帯に工場は設置できないとトルコ側が却下します。提携を予定していたウクライナ国営航空機エンジンメーカーであるMotor Sich Joint Stock Company (JSC)の工場がザポリージャにあり、攻撃を受ける可能性が高いのも要因です。さらに6月以降にTB2の損害が多くなったことでTB2の神話も崩れ始めていました。しかし、それでもゼレンスキー大統領はTB2の国内生産を熱望、9月にベイカー社のCEOとキーウで会談、要望を伝えて、CEOは10月に工場設立を計画していると発表します。
そして、今年1月25日のトルコとウクライナメディアの報道によれば駐トルコのウクライナ大使がバイラクタルTB2を生産するための工場をウクライナに建設することが合意に達し、法的枠組みが形成されたと述べたと報道します。大使によれば、既に工場稼働に向けた準備は始まっており、2年以内の稼働を目指しています。TB2の製造に必要なエンジンやパーツの多くはウクライナ国内で生産される予定です。JSCはベイカー社の無人機用にエンジンを製造しており、生産する上での技術力と整備は持ち合わせています。
Source
Project completed, legal framework ready for Ukrainian Bayraktar TB2 plant