トルコ海軍の強襲揚陸艦TCGアナドルは世界初の無人機空母になる

トルコ海軍の強襲揚陸艦TCGアナドルは世界初の無人機空母になる
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トルコは10日月曜、強襲揚陸艦TCG Anadolu(アナドル)の就役を発表しました。同艦は軍用無人機・ドローンの搭載を目的に設計されており、世界初の無人機空母しての運用を目指しています。

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TCGアナドルは、スペインの造船企業ナバンティア社によってイスタンブールにあるセデフ造船所で2016年に建造が始まり、7年の月日をかけて建造。そして、2023年4月10日、エルドアン大統領出席のもと、就役式が行われ、トルコ海軍の新たな旗艦として正式に就役します。アナドルは艦種的には強襲揚陸艦に分類されますが、軽航空機、無人機・ドローンの搭載も目的に設計され、スキージャンプ式の飛行甲板を搭載するなど軽空母としても機能します。搭載する無人機は武装したモデルであり、無人戦闘機を搭載する世界初の空母になる予定です。

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スペック

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全長231m、幅32m、排水量27,436トンとトルコ海軍最大の船です。最高速度は約21ノット(39km)、航続距離は16,600km、50日間連続の航海が可能。排水量や速度、航続距離といったスペックは強襲揚陸艦で利用するか軽空母で利用するかで変動があります。

強襲揚陸艦

強襲揚陸艦としては戦車13両、装甲強襲揚陸車27両、装甲兵員輸送車6両、その他の車両33台、トラック15両台を含む合計94両の軍用車両を搭載、1223人が乗員することができます。

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軽空母

12機の有人または無人の戦闘機、21機のヘリコプター、または無人機の計33機が搭載可能で、9200平方メートルの飛行甲板には同時にヘリコプター10機または武装ドローン11機を展開、格納庫には最大、ヘリコプター19機、若しくは武装ドローン30機程度が搭載可能です。

スキージャンプ式の飛行甲板からは固定翼機の離陸が可能で、現在、開発中の有人の国産軽攻撃機ヒュルジェット(Hürjet)、無人戦闘機のクズルエルマ(KIZILELMA)、バイラクタルTB2の艦載機仕様であるバイラクタルTB3の搭載を予定しています。クズルエルマはジェット機仕様の戦闘機タイプで、バイラクタルTB3はTB2よりもスペックが向上、より戦闘に特化し、様々な武装が搭載可能です。武装ドローンを艦載機として運用している空母はまだなく、運用が実現すれば、世界初となります。

これら、無人艦載機のおかげでアナドルは1隻で地中海全体の海上および沿岸の目標に対する偵察および攻撃任務を遂行できるとトルコ国防省は述べています。

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もともとはF-35Bを搭載する予定だった

同艦はもともと、STOVL タイプ(短距離離陸・垂直着陸)のF-35B戦闘機を搭載するために建造が始まりした。F-35の開発計画に参加していたトルコはアメリカからF-35を受領できる予定でしたが、敵対するロシアからS-400防空ミサイルシステムを購入したことでF-35プロジェクトから外され、F-35の購入ができなくなります。F-35B搭載のためにスキージャンプ式の飛行甲板を搭載したので、これが無用になってしまいます。そこで、途中で設計を変え、トルコが得意とする無人航空機の搭載運用が可能な艦に改修しています。

姉妹艦であるTCG Trakya(トラキャ)の建造も予定しています。

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