米海兵隊のVH-92Aヘリが初めて大統領を乗せ、ようやく「マリーン・ワン」を名乗る

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アメリカ大統領専用ヘリコプターとして新しく採用された米海兵隊のVH-92Aパトリオットが初めてバイデン大統領を乗せ、大統領搭乗機を意味するコールサイン「Marine One(マリーン・ワン)」を初めて名乗った。

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19日月曜、第1海兵隊ヘリコプター飛行隊(HMX-1)の「ナイトホークス」に所属する”VH-92Aパトリオット”ヘリコプターが、民主党全国大会で演説するため、ジョー・バイデン大統領をシカゴのオヘア国際空港からソリダーフィールドまで運んだ。これがVH-92Aにとって初の大統領搭乗になり、導入から2年で、ようやく大統領搭乗機を意味するコールサイン「Marine One(マリーン・ワン)」を名乗ることができた。

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新しいマリーンワン「VH-92パトリオット」は大統領を乗せてホワイトハウスに着陸できない
NAVAIR

VH-92パトリオットは1978年から使用されているシコルスキー社のVH-3Dシーキング、1989年から使用されているVH-60Nプレジデントホークに代わる大統領専用ヘリコプターとして2014年に採用が決定した機体。米海兵隊は2020年に開発生産元のロッキード・マーチン社とその子会社のシコルスキー社とプロタイプ2機を含む23機のVH-92Aを購入する契約を結んだ。2021年4月に政府試験が完了、米国海兵隊は2021年12月28日にホワイトハウスに対してVH-92Aの初期運用能力(IOC)を宣言。2022年5月までに最初の6機が納入された。本来であれば、その後、VH-92AがVH-3Dシーキング、VH-60Nプレジデントホークに代わって大統領専用ヘリの役割を担う筈だったが、機内の通信システムの暗号システムに問題があり、その後の納入が遅延。更にVH-92Aのエンジンが芝生を焼く問題が確認されると、ホワイトハウスの南にある芝生のヘリポートへの発着が禁止された。そのため、納入からこれまでバイデン大統領を一度も乗せる事はなく、その他要人、スタッフの移動に使用され、バイデン大統領は引き続きVH-3DとVH-60Nに搭乗し、移動していた。米海兵隊は昨年、通信の問題については解決したと報告している。

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「マリーン・ワン」は大統領が乗っている事を意味するコールサインであり、VH-92Aは大統領専用ヘリではあるが、納入からこれまでの2年間、一度もそのコールサインで呼ばれる事は無かった。今回、初めてバイデン大統領を乗せた事で、初めて、その名で呼ばれた。ただ、今回、ホワイトハウス間での移動ではなかったため、芝生の問題が解消されたかどうかは不明であり、その問題が解決しない限り、VH-92Aの大統領専用機としての役割は二番手以降の位置づけだ。海軍航空システム司令部の声明によると、今月初めに最後の23機目のVH-92Aが納入されており、「マリーン・ワン」といえばとっくにVH-92Aとなっていてもおかしくない。

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米海兵隊のVH-92Aヘリが初めて大統領を乗せ、ようやく「マリーン・ワン」を名乗る
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