ウクライナ、北極圏にあるロシア軍基地を攻撃!Tu-22M3爆撃機を損傷させる

ウクライナ、北極圏にあるロシア軍基地を攻撃!Tu-22M3爆撃機を損傷させる
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ウクライナ軍は29日、ロシアのムルマンスク州にあるオレニャ軍用飛行場をドローンで攻撃し 、Tu-22M3爆撃機に損傷を与えたと発表した。オレニャ軍用飛行場は北極圏にあり、同地域の軍事基地をウクライナが攻撃するのは初だ。

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ウクライナ軍事情報局(HUR)報道官のアンドリー・ユソフ氏によれば、ウクライナ軍は7月27日夜、ロシアのムルマンスク州のオレニャ、サラトフ州のエンゲルス、リャザン州のディアギレヴォの飛行場をドローンで攻撃した。後者の2つの飛行場はこれまでもウクライナのドローンの標的になった事があるが、驚くべきは今回、初めて標的となったオレニャ軍用飛行場だ。飛行場があるムルマンスク州はロシア北西部の北極圏に位置し、飛行場はムルマンスク州の奥深く、バレンツ海に面し、フィンランドまでは約150km、ノルウェー国境までは約200kmに位置にあり、ウクライナの国境からおよそ1800kmも離れている。これはウクライナによるドローン攻撃としては最長タイ記録になる。ウクライナ軍は今年5月に前線から1800km離れたロシア南西部オレンブルク州オルスクにあるロシア軍のレーダー施設への自爆ドローンで攻撃、破壊に成功した事を発表、ドローン攻撃の最長距離記録を更新したが、今回、同じ距離で再び攻撃に成功した事を発表することで、攻撃成功が偶然ではなかった事を表明した形だ。

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ロシア側は自爆ドローンによる攻撃があったこと自体は認めているがTu-22M3に損害があったことは発表していない。損害の証拠となる写真や映像もなく、衛星写真等でも確認できていない。しかし、重要なのは北極圏にある軍事基地を攻撃できる能力がウクライナ軍にあると言う事を示した事だろう。

Tu-22戦略爆撃機が損傷した事が事実だとすれば、此度の戦争での損害としては4機目になる。最初の損害は今回、オレニャ飛行場と同じタイミングで攻撃を受けたリャザン州のディアギレヴォの飛行場に駐機してあったTu-22M3だ。同基地にはロシアの戦略爆撃機部隊の訓練センターがあり、Tu-22とTu-95が配備されていた。2022年12月にウクライナ軍のドローン攻撃をうけTu-22M3が損傷、3名が死亡したと発表されている。今回の攻撃での損害は不明だ。

次が2023年8月になり、ロシア西部ノヴゴロド州のソルツィ空軍基地に駐機してあったTu-22M3がウクライナ軍のドローン攻撃を受け、完全に破壊されました。同基地はサンクトペテルブルクとモスクワの間にありウクライナから800km以上離れた場所にあった。ソルツィ空軍基地は、ウクライナを攻撃するTu-22M3戦略爆撃機飛行隊の基地として知られていたが、この攻撃を受けて、ロシア航空宇宙軍は少なくとも6機のTu-22M3を、今回攻撃を受けたオレニャ飛行場に移転したと報告されている。ロシア軍としてもさすがに1800kmも離れ、北極圏に位置する同基地をウクライナ軍が攻撃してこないだろうと高をくくっていたかもしれない。Tu-22M3飛行隊にとってオレニャ飛行場は安住の地だった。そこが今回攻撃を受けたわけだ。

同じく攻撃を受けたサラトフ州にあるエンゲルス空軍基地は爆撃機作戦基地で、Tu-160戦略爆撃機の唯一の運用場所であり、Tu-95、Tu-22も含めたロシア軍が誇る3つの戦略爆撃機が同基地にあるとされているが、ウクライナ国境から700km離れた同基地は過去、何度もドローン攻撃を受けており、2022年12月にドローン攻撃を受けて2機のTu-95爆撃機が損傷している。同じく今回の攻撃による損害は不明だ。

3機目の損失は今年4月で、ウクライナのドニプロペトロウシク州へのミサイル攻撃を行った後の帰路の途中、Tu-22M3がロシア南部のスタヴロポリ地方で墜落している。原因は不明だ。

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Tu-22M3とは

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Tu-22Mは、Tu-95MS、Tu-160と並ぶロシア空軍の主要爆撃機の一つで冷戦時の1960年代に開発され、1972年に配備された。可変翼を備え超音速で飛行する中距離爆撃機で昼夜を問わず、いかなる天候条件でも、超音速ミサイルと爆弾で地上と海上の目標を攻撃するよう設計されており、核兵器も運ぶことができる。同機は約500機が生産されたが、現在運用されているのは約60機で、そのほとんどは1989年に就役した改良型のTu-22M3になる。エンジンが改良され、最高速度は初期の1640km/hから2500km/h(マッハ 2.05) に、航続距離は30%増加した。同機には空中発射型巡航ミサイルKh-22、その改良型で射程1000km、超音速ミサイルのKh-32。そして、極超音速ミサイルのKh-47M2キンジャールを搭載。ウクライナ侵攻ではロシア領空からウクライナに空爆を行っている。

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