米空軍がようやく極超音速ミサイルAGM-183A ARRWの発射に成功

米空軍がようやく極超音速ミサイルAGM-183A ARRWの発射に成功
USAF

アメリカ空軍は空中発射式の極超音速ミサイルAGM-183A ARRWの発射に初めて成功したことを発表しました。

米空軍は南カリフォルニア沖で12月9日に実施された発射テストで空中発射型迅速対応兵器、略してARRW(Air-launched Rapid Response Weapon)と呼ばれる極超音速ミサイルAGM-183Aの完全なプロトタイプバージョンの発射テストに初めて成功しました。ARRWはB-52H戦略爆撃機に搭載され、機体から安全に分離されると、ブースターが点火、指定された航路を加速しながら飛行し、マッハ5以上の極超音速に達するとブースターを切り離し、弾頭を搭載したグライダー(グライド・ビークル)が慣性を利用して、標的に向かって滑降飛行、ターミナル エリアで爆発し、テストの目的を達成し、初のオールアップラウンド (AUR) テストに成功します。

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過去3回連続発射に失敗

ARRWは過去、ブースターのテスト試射段階で3回連続の失敗に見舞われていました。昨年2021年4月に行われた空中発射テストではB-52Hからの切り離しに失敗、7月のテストではB-52Hからの切り離しには成功したもののブースター点火に失敗。8月には弾頭を搭載したグライダーの起爆テストに成功するものの、12月に三度行われた発射テストではまたしてもB-52Hからの切り離しに失敗してしまいます。2022年9月に早期作戦能力(EOC)の達成を予定したいたものの、計画はもちろん遅延。この3回連続の失敗により、米議会は2022年度の予算で計画されていた12基のARRWミサイルの調達をキャンセル、1億6,100万ドルのARRW予算を削減しました。

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しかし、失敗の連続の中行われた今年2022年5月16日の4回目のテストではB-52Hからの切り離しに成功、投下されたARRWのブースターは無事点火されると想定どおり燃焼し続け、マッハ5以上の音速に達し、初めて”ブースターの切り離し”、”ブースターの点火”、”マッハ5以上の極超音速の達成”に成功。7月にも同様のテストが行われ、2回続けて、ブースターのテストに成功します。そして、今回の6回目のテストではこれに”グライダーの切り離し”、”目標エリアでの起爆”が加わり、ARRWの一連のテストが成功したことなり、重要なマイルストーンを達成しました。

今回の成功により、2023年度でのEOCの達成、2024年度には量産が始まる可能性があります。

AGM-183A ARRWはロッキード・マーティン社が開発する空中発射式の極超音速ミサイル。スタンドオフ攻撃を行えるよう設計されており、最大射程は1600km、最高速度はマッハ20を予定しており、この速度で飛来する飛翔体を迎撃できる兵器は現在ありません。B-52爆撃機の他にB-1爆撃機、新しいB-21ステルス爆撃機、戦闘機のF-15E/EXへの搭載を予定しています。

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Source

https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/3243194/air-force-conducts-first-arrw-operational-prototype-missile-test/

https://www.airandspaceforces.com/hypersonic-arrw-flies-successfully-for-second-time-completing-booster-tests/

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