映画やゲームで戦闘機がミサイル発射する時に「Fox3(フォックススリー)!」と叫んでいる光景を見たことはないでしょうか?あの”FOX3”ってどういう意味なんでしょう?実はFOX3以外にも”FOX2”、”FOX1”があるんです。このワードの意味について解説します。
FOXの意味は?
FOXというワードは、NATOのパイロットが空対空ミサイルの類を発射する際に使用する簡潔なコードです。空対地ミサイルには使用されません。「FOX」は「FOXTROT」の略です。NATOフォネティックコードの一つで「F」の表記音を意味しています。”F”を意味することから「Fire(攻撃)」の意味して使われており、武器が発射されたことを知らせるコードです。戦闘中に混乱することなく情報を迅速かつ正確に味方に伝達するために使用されています。
FOX1(フォックスワン)
FOX1はセミアクティブレーダー誘導ミサイルの発射を意味します。これはいわゆる電波誘導ミサイルで発射母体や他の部隊が目標に電波やレーザーを当て、その反射する電波をミサイルが探知して発射源を標的として捉えます。代表的なミサイルとしてはAIM-7 スパローがあります。
FOX2(フォックスツー)
FOX2は赤外線誘導ミサイルの発射を意味します。目標が発する熱源の赤外線をミサイルに搭載された赤外線センサーや赤外線カメラが探知して追跡します。代表的なミサイルとしてはAIM-9 サイドワインダーがあります。
FOX3(フォックススリー)
FOX3はアクティブレーダー誘導ミサイルの発射を意味します。これはミサイルに搭載されたレーダーで標的を捉えるので、一度ロックオンされると逃れることが難しいミサイルです。代表的なミサイルとしてはAIM-120 アムラームやAIM-54 フェニックスがあります。
FOX4(フォックスフォー)
FOX4はミサイルではなく機関砲の発射を意味しています。これ以外にも自爆や体当たり、射出座席によるベイルアウトを意味するともいわれています。
航空自衛隊はNATOではありませんが、アメリカ軍の同盟国なので航空自衛隊でもFOXを使用しています。