ウクライナに送るポーランドのMig-29にドイツの承認が必要な理由

ウクライナに送るポーランドのMig-29にドイツの承認が必要な理由
Polish air force

ポーランドは3月に保有するソ連製のMig-29戦闘機の内、4機を、ウクライナへの追加軍事支援として提供することを表明。その後、提供数を拡大して14機のMig-29の提供を申し出ます。しかし、Mig-29の提供は一存では決められず、ドイツの承認が必要です。なぜ。ソ連製の機体の提供にドイツの承認が必要なのでしょうか。

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スロバキアとポーランドは3月になって相次いでソ連製戦闘機Mig-29のウクライナへの提供を表明。スロバキアは昨年8月に所有する13機全機が退役していたこともあり、全て提供することを表明。早速、4機をウクライナに送ります。ポーランドは当初、4機の提供を表明していましたが、4月6日に同国のドゥダ大統領はゼレンスキー大統領の会談を受け、14機に拡大することを表明します。先行して8機、後日6機と二回に分けて納入され、8機は既に納入済ですが、残りの機体はドイツの承認が必要でした。なぜ?スロバキアが独断でウクライナに提供できたのに対し、ポーランドはドイツから承認を得なければならなかったのでしょう。

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ポーランドのMig-29は旧東ドイツ軍の機体

ポーランド空軍のMig-29が誤って味方のMig-29に発砲
Polish air force

ポーランド空軍が保有するMig-29の半分以上はドイツから購入した機体になります。「ドイツ軍がMig-29を保有?」と思いますが、これはドイツがまだ東西に分かれ、ソ連の影響下にあった東ドイツ軍が所有していた機体です。1990年に東西ドイツが統一する直前の1988年から1990年にかけてソ連はNATOに対抗するために東ドイツ軍にMig-29の配備を決め、合計約24機の戦闘機を送り、2個飛行隊が編成されます。その後、東西ドイツが統合すると、Mig-29はドイツ連邦軍に移管され、敵役を行うアグレッサー部隊、NATO軍の一部としてクイック・リアクション・アラート(QRA)に就きます。その後、ドイツ空軍にユーロファイター タイフーン戦闘機の導入が決まると、2004年にMig-29はポーランドに1機あたり1ユーロという破格で22機が売却されます(残りの2機は、1機は墜落で破損、1機はドイツ国内の博物館に保存されています)。この時、ドイツは売却する条件として第三国への譲渡にはドイツの承認を受ける条項を盛り込みます。これはMig-29にだけ適用されるものではなく、基本、ドイツから購入する兵器は全て、この条件が適用されます。そのため、ロシアの侵攻が始まった当初、各国が兵器支援に積極的な姿勢を見せる中、これが足枷となり、提供が遅れるという問題が起きました。これは、今年2月に提供が決まったドイツ製のレオパルト2戦車でも見られました。

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しかし、過去の反省もあったのか、若しくはもともとがソ連製である理由か、今回のドイツの承認は早く、ポーランドが提供を表明してから僅か1週間後の13日にドイツは売却したMig-29のウクライナへの提供を認めます。

ポーランド空軍は29機のMig‐29を所有しているとされていましたが、ポーランドの安全保障顧問ヤチェク・スウィエラによれば、3月末時点で保有しているのは10機ほどとされています。ポーランドは以前からMig-29のパーツをウクライナに提供していたので、部品取りしていたのかもしれません。つまり、稼働するMig-29全機をウクライナに提供するのかもしれません。ポーランド空軍の現在の主力戦闘機はアメリカ製のF-16であり、32機のF-35の購入を決めています。国内には米空軍のF-22も駐留しており、Mig-29を提供しても防空に穴が空くことはありません。

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Source

https://mil.in.ua/uk/news/ukrayini-planuyut-peredaty-myg-29-yaki-nalezhaly-ndr/

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