火炎放射器などを製造するアメリカのThrowflame(スローフレーム)社は火炎放射器を搭載した世界初のロボット犬「Thermonator(サーモネーター)」を発表しました。
各国が開発に凌ぎ削るロボット犬。ボストン・ダイナミクスが最初のロボット犬「Spot」を開発してから、今では複数の企業がロボット犬を開発。災害救助犬や警備犬として利用されたり、最近ではGhost Robotics社がライフルを搭載した「SPUR」を開発するなど兵器化も進んでいます。これらロボット犬のラインナップに新たに火炎放射器を搭載したロボット犬「Thermonator(サーモネーター)」が加わりました。
Friendly neighborhood dog?
— TheRealBiffBifford 🇺🇸 (@TBifford) June 24, 2023
Throwflame has unveiled a 🤖robot dog with a 🔥flamethrower on its back.
It will be called the "Thermonator". The dog will be able to 🔥fire up to 10 meters for 45 minutes pic.twitter.com/axmTqoLBkY
サーモネーターは、火炎放射器を操る史上初のロボット犬です。ロボット犬の頭部デザインを見る限り、ロボット自体は中国企業のUnitree社の製品を使用しているものと思われます。そこの背部にThrowflame社が開発した遠隔操作可能な電子操作式の火炎放射器を搭載した形です。サーモネーターは最大45分間稼働し、発射される炎の長さは最大10mになります。
サーモネーターは一見、兵器用途のように見えますが、あくまで民間用で野焼き、害虫や蜂の巣の駆除、雪の融解といった農業利用。花火のイベントや映画の小道具としての利用を想定しています。Unitree社のロボット犬はAIを搭載しており、障害物をよけるといった自律行動、ダンスも可能でアトラクション的な利用も可能です。
2023年第3四半期(7~9月)に出荷予定で現在は予約を受け付け中です。価格は公表されていませんが、Unitree社のロボット犬「GeeDog Pro」の販売価格が100万円前後と考えと150~200万円程でしょうか。サーモネーターがその価格で農業用に需要があるかというとそれは皆無と思われ、購入するのは火炎放射器愛好家といった一握りの層になりそうです。Throwflame社は過去には空中ドローン搭載用のアタッチメント火炎放射器「Throwflame TF-19 Wasp」を開発。しかし、米連邦航空局がドローンに武器となるようなものを搭載することはFAA再認可法のセクション363に違反する行為になり、最大25,000ドルの罰金が科せられると警告。なので、今回、同社は地上型ロボットに火炎放射器を搭載したのかもしれません。
[adcode]ドローンの進化に伴い、軍事面での利用も増えてきている。各国で多くのドローン兵器が開発されている。それは軍事用ドローンに限らず民間ドローンも兵器に転用されており、テロリストなどはドローンに爆弾を搭載して、実際[…]
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