グルカ兵|世界が欲するネパールの最強兵士

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ネパールの「グルカ兵」をご存知ですか? おそらく聞いたことある人は少ないでしょう。私がグルカ兵を知ったのは5年ほど前にネパールに旅行に行く際にネパールの治安や政情を調べる中で初めて知ったワードです。あまり知られていない兵士ですが、実はこのグルカ兵はアメリカのシールズやロシアのスペツナズを差し置いて世界最強の兵・傭兵とも言われており、名前を聞いただけで戦場から逃げ出す敵もいると言われるほど。その優れた戦闘能力からイギリスをはじめとした世界の軍隊や警察に雇用されています。今回はそのグルカ兵について紹介します。

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グルカ兵の出身地ネパールについて

グルカ兵が生まれたネパールは下にインド、上に中国と大国に挟まれた内陸国です。人口は2600万人ほどで、そのうちの80%がヒンドゥー教徒になります。ネパールという国名を一番耳にするのはエベレスト登頂のニュースなどかと思います。あの世界最高峰のヒマラヤ山脈を有する国です。しかし、アジアで最も貧しい国の1つともいわれ、平均月収は1~3万円程。インフラも満足に整っていなく都市部でも頻繁に停電を起こします。そのため出稼ぎに出るネパール人も多く、日本にも多くの人が在留しています。日本のインド料理店で働いている多くの人は実はネパール人だったりします。そんな貧しいネパールにとってグルカ兵として傭兵になることは海外で働け、高給が取れる職業になります。

世界最強の兵士といわれるグルカ兵とは

グルカ兵とはネパールの山岳民族で構成された白兵戦、山岳戦に優れた戦闘集団になります。 よく”グルカ”とは民族名を指し示す単語と思われるのですがそうではありません。もともとゴルカ群という地の出身者から構成されていたことが所以です。彼らの身長は平均150cmと小柄ですが、俊敏で獰猛、恐れを知らない兵として各国から傭兵として重宝されています。

イギリス軍にはグルカ兵で構成されたグルカ旅団という陸軍歩兵旅団が存在します。最近でも2003年のイラク戦争、アフガニスタン紛争にイギリス軍として派兵されています。

その他、フランス外人部隊、マレーシア軍、インド陸軍、シンガポール警察などでも多くの国で雇用されています。2018年のシンガポールでのトランプ大統領と金正恩との会談ではグルカ兵が周辺警備にあたっています。退役後も多くが、民間軍事会社(PMC)に雇用されています。

グルカ兵の歴史

1814年、植民地拡大を目指すイギリス(東インド会社)とネパールとの間でゴルカ紛争が勃発します。ネパールは善戦するも敗戦することになりますが、孤軍奮闘するグルカ兵の能力がイギリスの目に留まり、彼らを傭兵として雇用することを条約の中で批准さます。

1857年のインドでのセポイの乱にイギリス側として参戦したグルカ兵はそこで大きな戦力となります。その後も太平洋戦争では日本軍と戦い、イギリス占領軍として占領任務に従事、その後の朝鮮戦争やイギリスとアルゼンチンが領有権を争ったフォークランド紛争にも参加します。イギリスとの関係はその後も続き、2015年には創設200年を記念し、ロンドンのバッキンガム宮殿で式典が開かれています。

武器はククリナイフ

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グルカ兵の象徴と言えるのがククリナイフです。ゲームなどで見かける人は多いかと思いますが鉈のような変わった形状したナイフです。ネパール国内では農耕用としても使われています。このナイフが生まれたのがネパールになり、ゴルカ紛争でグルカ兵が白兵戦時にククリナイフを使用していました。そのため、英語圏ではグルカナイフとも呼ばれます。

グルカ兵に採用されると、その証としてククリナイフが手渡されます。

グルカ兵の能力

グルカ兵は徴兵制、志願制でもなく、イギリス軍がスカウトを行っているともいわれ、グルカ兵になるために小学生程度の年齢から専門の教育を行う学校などもあるそうです。並外れた体力、精神力、頭脳と合わせ、傭兵が主なので英語などの語学能力も必要です。エリートしか選ばれない狭き門になっています。

では、彼らの能力は実際どうなのでしょうか?

1人で30名のタリバン兵を撃退

2010年イギリス軍としてアフガンに派遣されていたパン軍曹が検問所での歩哨の任務中にタリバン兵30名が迫ってきたそうです。彼は機関銃とSA80を手にし400発の弾丸と17個の手榴弾、クレイモア1つで応戦しました。しかし、とうとう弾丸が尽きてしまいます。そこで彼はなんと銃のトライポッド(二脚)をもって、迫りくるタリバン兵を撃退し、支援が到着する15分間、検問所を一人で守りきったのです。しかし、二脚で応戦って凄いですね。ククリナイフは持っていなかったのでしょうか。

走行中の車にヘッドショット

2015年5月にシンガポールで日本をはじめとしたアジア各国の防衛担当相らが参加するアジア安全保障会議の会場ホテル近くで未明、3人乗りの乗用車が警戒線を突破し、警官に運転主が射殺される事件がありました。
彼らはテロではなく、薬物違反者というのが、後ほどの公判ではわかりましたが、爆弾テロの可能性もあり射殺をしました。この時の射殺が動く車をガラス越しに頭部を射貫くという精密な射撃でした。この任務にあたったのが、シンガポール警察に雇われているグルカ兵でした。グルカ兵というと白兵戦のイメージが強いですが、正確な射撃能力も持ち合わせているようです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3050329

いかがでしたでしょうか? 世界最強の兵と言われると、特殊部隊を思い浮かべる人も多いかもしれません。情報収集や潜入など総合能力は特殊部隊が上だと思いますが、純粋な戦闘能力はもしかしたらグルカ兵が一番かもしれませんね。

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世界最強の兵士グルカ兵
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