対スナイパー兵器「ブーメラン」狙撃探知システム

対スナイパー兵器「ブーメラン」狙撃探知システム
Photo raytheon

スナイパー・狙撃手は優れた銃器と狙撃技術で長距離射撃で攻撃してくる厄介な兵種です。更に厄介なのがカモフラージュ・隠蔽技術に優れているため、攻撃を受けても、そう簡単に彼らを発見して反撃することができない事です。そのため、部隊は足止めをくらったり、消耗することになります。そんな厄介なスナイパーの居場所を検出するためにアメリカの国防高等研究計画局(DARPA)はある兵器を開発しました。それが狙撃探知システム「Boomerang(ブーメラン)」です。優れた射手は撃たれた方角、着弾から射撃音までの時間差、方角、角度などから計算して狙撃手の位置を割り出すことができるとされますが、”ブーメラン”はそれを瞬時により正確に行います。

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概要

ブーメランはスナイパーに対抗するために米国防総省の考案で2003年にDARPAとアメリカのレイセイオン社の子会社であるBBNTechnologies(BBNテクノロジーズ)によって開発が始まった狙撃探知システムです。

ブーメランは主に歩兵が乗車しているハンヴィーやMRAPといった軽装甲車に搭載される音響センサーになります。パッシブ音響検出機と7つのマイクセンサーアレイを使用して、銃口のマズルブラストと弾丸の超音速衝撃波、そして音を検出。そこから、弾丸が発射された方向、弾丸の地上からの距離、角度を測定します。コンピューターベースの信号処理はこれらのデーターをもとに1秒未満で射撃地点・射手の居場所を計算し、LEDの表示板に“shot. two o’clock. 400 meters.”(ショット、二時[方向]、400メートル[距離]”と表示。四方八方から射撃されても即座に敵の射撃地点を検出し、表示します。しかし、音速を下回る亜音速の弾丸や飛翔体を検出することはできません。

センサーは搭載されている車両が移動中でも動作し、最大、時速80km/hで走行中に攻撃を受けても、敵の射撃地点を特定します。また、市街地のような複雑な環境下でも動作するように設計されており、ドアを閉めた時の風圧、風切り音、戦術無線通信による干渉、車両、爆竹、その他都市活動における音や風圧など弾道性のない事象に関しては検出せず、それらは誤警報の原因とはなりません。誤検出は1000時間に1回という精度です。

携行用ブーメラン「Boomerang Warrior-X」

歩兵が最も脆弱な時は車輌や障害物といったものが何もない状況です。この時、狙撃手に出くわすと対抗する手段がありません。そこでBBNテクノロジーズは歩兵でも携行できるウェラブルタイプの「Boomerang Warrior-X」を2011年に開発。車両搭載用のブーメランと同等の機能ながら、タクティカルベストに組み込めるほど小型化させ、その重さは僅か340gです。2020年にはAndroidスマートフォンベースの軍事状況認識アプリケーションを開発。検出された射撃地点は装備する兵士のイヤホンに音声で通知され、タブレットやスマホの液晶画面のマップ上に射撃地点のエリアと方角が表示されます。これにより、兵士は狙撃をうけても即座に対応、狙撃地点に航空・砲撃支援を要請できます。

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Source
https://www.raytheonintelligenceandspace.com/capabilities/products/boomerang

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