プライベート・ライアン|開始20分間のノルマンディー上陸シーンは圧巻|レビュー、ネタバレ

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プライベート・ライアン
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監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・ハンクスという最強タッグで1998年に公開された戦争映画。公開後20年たつが、これを超える戦争映画はまだないのでは? と思える名作。この映画が名作戦争ドラマ『バンド・オブブラザーズ』にもつながってくる。

ストーリー   : 5
戦闘・アクション: 5

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作品概要・あらすじ

プライベート・ライアン
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とある高齢の老人がノルマンディー米軍英霊墓地を訪れ、一つの墓前で感極まって座り込んでしまう。老人は戦時中のある思い出を回想する。
そして、舞台は1945年6月のフランスのノルマンディーに変わる。ジョン・H・ミラー大尉率いるC中隊はオバマビーチに上陸するもドイツ軍の激しい抵抗をうけ、浜辺から動けない状態になるも、敵の防衛線に穴を開け、浜辺を奪還することに成功する。しかし、アメリカ軍は多大な犠牲を払ってしまう。その中にはライアンという名の兵士もいた。そんな中、アメリカ陸軍参謀本部に、ある兵士の戦死報告が届く。それはライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。参謀本部は兄弟全員を死なせるわけにはいかないと考え、残る末子ジェームズ・ライアンを帰国させる事にする。しかし、ジェームズ・ライアン(マット・デイモン)はノルマンディー上陸作戦の前夜に行なわれた空挺降下に参加しており、敵地の中で行方不明になっていた。参謀本部ははライアンを捜し出し、本国に帰還させるように命令する。命令を受けたミラー大尉は、隊を抜け、6名の部下と、通訳として歩兵師団から引き抜いたアパム伍長の8名でライアンがいると思われるフランス内地へ向かう。一同は道中で遭遇する見方から情報を集め、ライアンに近づいていくが、その道中では度々戦闘に舞い込まれることになる。損害を出しながらもようやくジェームズ・ライアン一等兵を捜し出し、連れ帰ろうとするが、ライアンからは思わぬ答えが……

作品名プライベート・ライアン
原題Saving Private Ryan
公開日1998年9月   
監督スティーブン・スピルバーグ

8名の救出部隊(キャスト)

ジョン・H・ミラー大尉(トム・ハンクス)

ジョン・H・ミラー大尉(トム・ハンクス)

第2レンジャー大隊C中隊隊長。部下からも信頼され優秀な指揮官であったが、ライアン救出の命を受け、隊を手放すことになる。軍に入隊前の経歴が不明で隊の中ではそれを当てることが賭けの対象になっている。

マイケル・ホーヴァス軍曹(トム・サイズモア)

マイケル・ホーヴァス軍曹(トム・サイズモア)

ミラー大尉の右腕として、部下に厳しく、規律を重んじる。肥満体系で、それを理由に作戦上、ミラー大尉から指摘されることも。戦地ごとの土を集めている。

リチャード・ライベン二等兵(エドワード・バーンズ)

リチャード・ライベン二等兵(エドワード・バーンズ)

自動小銃手として、ブローニングM1918A2という軽機関銃のようにも使えるセミオートライフルで分隊の火力支援を担当する。口が悪く思ったことを直ぐ口にする。ライアンの救出作戦に最も否定的であった。

ダニエル・ジャクソン二等兵(バリー・ペッパー)

ダニエル・ジャクソン二等兵(バリー・ペッパー)

凄腕の狙撃手。スプリングフィールドM1903A4を使用し、ノルマンディー上陸では敵機銃手を狙撃し、突破口を開く。 信心深いカトリック教徒で射撃の際には祈りを捧げる。

スタンリー・メリッシュ二等兵(アダム・ゴールドバーグ)

スタンリー・メリッシュ二等兵(アダム・ゴールドバーグ)

小銃手。ユダヤ系になり、その出生からドイツ軍を忌嫌っている。ユダヤ系は劇中だけの設定ではなく、本人もユダヤ系ドイツ人の血を持っている。

エイドリアン・カパーゾ(ヴィン・ディーゼル)

エイドリアン・カパーゾ(ヴィン・ディーゼル)

小銃手。強面の大柄のイタリア系だが、その見た目とは違い、敵がいる中、ミラー大尉の命令を蒸して少女を助けるなど人情派の一面を持つ。

アーウィン・ウェイド四等特技兵(ジョバンニ・リビシ)

アーウィン・ウェイド四等特技兵(ジョバンニ・リビシ)

衛生兵。隊の中ではひと際温厚な性格だが、負傷兵が入れば、勇敢に救出に向かう。救出作戦では道中、ウェイド自身も戦闘に駆り出させる。

ティモシー・E・アパム伍長(ジェレミー・デイビス)

ティモシー・E・アパム伍長(ジェレミー・デイビス)

第29歩兵師団に所属し、地図作成といった後方任務であったが、ドイツ語とフランス語を話せるという事で通訳として参加することに。実戦経験が無いため、戦闘では怯え、敵を撃つことに躊躇うなどする。

タイトルの意味

「プライベート・ライアン」という題名。ライアンは救出される兵士の名前という意味は分かるが”プライベート(Private)”は「私的な」や「一人だけ」といった意味だと思う人が多いと思うがプライベートは兵士の階級を指しており、米陸軍では二等兵を意味している。つまり映画の題名は「ライアン二等兵」という意味だ。また原題は「Saving Private Ryan」になり、「ライアン二等兵を救え」という意味になる。しかし、邦題では”Saving”が除かれた「プレイベート・ライアン」になった。

ストーリー レビュー

プライベート・ライアン
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ストーリー自体はノンフィクションなるのだが、そもそも、兄弟が全員戦死したからといって、一人の兵士を助けるものなの? とちょっと疑いたくもなるが、実はこのストーリーは実話をベースにしている。そもそもアメリカ軍にはソール・サバイバー・ポリシーという規定がある。これは家族が親兄弟などで従軍している場合に全員を失わないよう、一人生き残った場合はその者を戦線から強制的に離脱させるというもの。実際に第二次世界大戦時にフレデリック、エドワード、プレストン、ロバートというナイランド四兄弟がいたがフレデリックを除く3兄弟が戦死してしまう。フレデリックは空挺部隊として敵地に降下しており、当初は所在が不明であったが、自力で原隊に復帰し、兄弟の戦士を告げられ、帰国の命令を受け、帰国している。フレデリックは自力で戻り、救出作戦は実施されていなかったが不明であれば実際はどうだったであろう。最初に見た時はこのような背景があったことは知らず、救出作戦に疑問を感じていたが、これを知ってからはより、リアリティを持って観ることができた。

戦闘・アクション レビュー

プライベート・ライアン
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まず、序盤から圧倒される。開始の回想シーンからノルマンディー上陸作戦のシーンに移るのだが、その描写が凄い。上陸目前の兵士たちの緊張感が凄く伝わってくる。いざ、上陸艇の扉があき、兵が飛び出すとドイツ軍の機銃掃射でバタバタと味方が倒れていく。機銃掃射を避けるために海に飛び込むも溺れる兵士も。ようやく上陸しようものなら遮るものが無く、敵機銃と砲撃の餌食になる。ここの描写は目をそむけたくなるほどで手足が吹き飛ぶ、内蔵が飛び出る、下半身がないなど戦場の生々しさをリアルに再現している。この序盤の20分間のシーンは映画史に残る20分間と言われたが正にその通りだ。しかし、これがクライマックスではなく、後半戦闘シーンではティーガー戦車なども登場する激しい戦闘が待ち受けており、最初から最後まで大迫力の戦闘シーンが楽しめる。
また、出演者は10日間のブートキャンプを経て、休みなしに参加するなどして演者のリアリティも高めている。更にエキストラには250名のアイルランド陸軍が参加している。実際の兵士であることから統制がとれており、武器の扱いや行動も演技ではなくそのものであった。また、この兵士達の大半は13世紀のスコットランド独立戦争を描いた『ブレイブハート』にも出演しており、映画の撮影にも慣れていた。これほどエキストラまでリアリティが高い作品な少ないと思われる。

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