T-34 レジェンド・オブ・ウォー|これまでにない戦車映画|レビュー、ネタバレ

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T-34 レジェンド・オブ・ウォー|これまでにない戦争映画|レビュー、ネタバレ
© Mars Media Entertainment, Amedia, Russia One, Trite Studio 2018

戦争・アクション系の映画に特化して紹介するミリレポ映画レビュー。今回、紹介する映画は2019年に公開された映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー 』。第二次大戦独ソ戦の戦車の戦いを描いたロシア映画で本国では800万人を超える大ヒット映画となった。T-34やパンターと実物の戦車にVFX技術を使い、今まで見たことのない戦車映画に仕上っており、戦車好きにはたまらない映画だ。

ストーリー   : 2
戦闘・アクション: 3.5

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あらすじ

第二次世界大戦(独ソ戦)下の1941年11月ドイツ軍がモスクワに迫る中、ソ連赤軍の新米士官イヴシュキン少尉は前線のネフェドヴォ村へ軍用トラックで向かう途中、ドイツ軍戦車に遭遇、戦車の動きを知る彼は戦車の攻撃を巧みにかわし前線に到着する。到着する彼にいきなり託されたのはT-34戦車の戦車長として友軍撤退を支援することだった。彼は装甲騎兵学校を卒業しており、戦車について知り尽くしているが、戦場は初めてだった。他三人の隊員と共にたった一台の戦車でドイツ軍戦車中隊を待ち伏せた。奇襲と彼の巧みな指揮で戦車6台を大破させるも最後は敵指揮官イェーガー大尉が乗るIII号戦車と相討ちとなり、敵捕虜となる。
時は経ち1944年、イェーガー大尉は大佐に昇進。ソ連軍の脅威が迫る中、親衛隊トップのヒムラーとハインツ・グデーリアン上級大将から戦車兵士官候補生の育成を命じられる。そこでイェーガーは捕虜のソ連戦車兵と鹵獲したT-34を敵とする実演演習を発案する。収容所で且つての宿敵イヴシュキンをみつけ演習へ参加させる。演習はドイツ軍は実弾、T-34は砲弾無しで逃げまわるという一方的な条件だった。イヴシュキンはかつての仲間を見つけメンバーとして選ぶ。彼らには鹵獲した最新鋭のT-34-85戦車が用意された。整備と中の死体の始末を命じられ、遺体を回収する最中、6発(徹甲弾2発、榴弾4発)の弾丸と手榴弾を発見。遺体を埋葬するふりして、演習場に遺体と一緒に砲弾を隠す。イヴシュキンは演習に乗じて脱走、チェコに逃走を図ることを計画する。
演習が始まるとイヴシュキンたちは木々を燃やし煙幕をはり、パンター戦車を撃破。砲弾を積んでいると思っていなかったドイツ軍は混乱。煙幕と混乱の機に乗じて、指揮所を砲撃し、イヴシュキンは脱走に成功する。イェーガーは責任を追及され、追跡に向かう。イヴシュキンたちは途中ワイマールの街で燃料や食料を補給。幹線道路での待伏せも交わし、森に逃げ込むもイェーガーの空中からの捜索で行き先を悟られる。危険を察知したイヴシュキンは休憩を止めて移動を開始する。チェコ国境の街クリンゲンタールにまで到達するが、そこにはイェーガーが指揮するパンター戦車部隊が待ち伏せていた。残り僅か4発の砲弾で戦車4両を相手にすることに。イヴシュキンたちは無事逃げ切れるのか?

作品名T-34 レジェンド・オブ・ウォー
原題T-34
公開日2019年10月 
監督アレクセイ・シドロフ

T-34 レジェンド・オブ・ウォー

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ストーリー レビュー

T-34 レジェンド・オブ・ウォー|これまでにない戦争映画|レビュー、ネタバレ
© Mars Media Entertainment, Amedia, Russia One, Trite Studio 2018

ロシア映画はいくつか見たことがあるが正直、ストーリー性が弱い。この映画も首をかしげるところはいくつかある。そもそもなぜ、6発もの砲弾が見逃させるのか?渡す前にはドイツ軍は確認しなかったのか?設定的に6発という弾丸の数は多すぎて緊迫感にかける。また、チェコに逃亡とあるが、1944年当時はチェコはドイツ領ではないのか?チェコがソ連に落ちたのは1945年のはず。最後の入り組んだ街中の戦闘ではイヴシュキン達に歩兵の支援も機銃もないのだから、戦車同士の戦闘よりも歩兵で落とした方が簡単なのではといろいろ矛盾を感じることは多かった。イェーガーも一見優秀そうに見えて客観的に見れば無能な指揮官。無理くり押し込んだようなラブロマンスも中途半端。戦争映画にありがちなプロパガンダも感じる。

この映画はストーリーは置いといて戦争エンターテインメントとして割り切ってみた方がよい。戦闘に関しては十分楽しめる。

アクション・戦闘 レビュー 

T-34 レジェンド・オブ・ウォー|これまでにない戦争映画|レビュー、ネタバレ
© Mars Media Entertainment, Amedia, Russia One, Trite Studio 2018

戦車映画としてはアクションとディティールに拘っており、戦車好きには十分楽しめる映画になっている。登場するT-34、三号戦車、パンター戦車は全て本物で、実際に操縦、車内にカメラを設置するなどして撮影している。戦闘では装甲厚など考慮した砲撃を行っており、装甲が弱い場所をきちんと狙い、堅いところは弾いている。弾いたとしても車内に大きく響く反響音や搭乗員への影響も描いており、この手の描写を戦争映画で見ることは少ない。砲撃時のアクションは全てVFXを使ってスローモーションで再現している。ロシアは何気にVFX大国でクオリティは高い。砲弾がどこにどのようにぶつかって戦車が破壊されるのかがよく分かる。T-34が「無双過ぎるだろ?」と思ってしまうが、実際ワールドオブタンクなど戦車ゲームでもT-34は堅くて強いから、そうなのかと納得してしまった。ただ、動きがあまりに俊敏すぎるのには違和感があった。贅沢を言えばドイツの最強戦車タイガーとの対決が見たかった。

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