2015年公開の『ボーダーライン』のスピンオフとして2018年に公開された『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』は前作に続きメキシコの麻薬カルテルを描いたクライムアクション映画になる。メキシコの麻薬戦争は隣国をアメリカを含んだ大きな社会問題、むしろ戦争といってよいぐらいの状況になっており、それを捉えた社会派映画でもある作品。1作目も素晴らしかったが、今作はそれを超えている!!
作品概要・あらすじ
アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティの商業施設で自爆テロ事件が発生、多くの人間が犠牲になる。国土安全保障省はさっそく、調査に乗りだし、アフリカはソマリアに特殊部隊を送る。そこで確保した海賊からイエメン人が貨物船で中南米に密入国している情報を掴み、メキシコ経由でテロリストがアメリカに密入国している睨んだ。対策するには国境の密入国を取り仕切っているメキシコの麻薬カルテルをなんとしなくては考えた政府はCIA工作員のマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)にカルテル同士を戦わせて混乱、弱体化させる作戦を命じる、どんなに汚い手を使っても。それを受けてマットは、 カルテルに妻子を殺され復讐に燃える暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に協力を依頼する。まず手始めに麻薬王レイエスの顧問弁護士を敵対するカルテルの仕業に見せかけ白昼堂々射殺する。そして次に16歳の娘イサベルを誘拐し、 敵対するカルテルの支配地域に連れていくを画策する。メキシコ連邦警察に協力を依頼するもメキシコの警察はカルテルに買収され、さらに、自爆テロの犯人は密入国者ではなく、アメリカ国民だったことが分かり、作戦は中止、アレハンドロと娘はメキシコに取り残される。事態の収束をはかる政府はマットに無慈悲な命令下す。作戦遂行に手段を選ばなかった彼らだが、最後に過酷な選択を迫られるのであった……
キャスト
アレハンドロ (ベニチオ・デル・トロ)
コロンビア人の元検察官で過去にカルテルに家族を皆殺しにされ、復讐の為に暗殺者に。前作にも出演 。
マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)
CIA特別捜査官。過去には中東で内戦を主導し、その経験を見込まれ作戦責任者に。アレハンドロは仕事仲間と旧知の中でお互いに信頼をよせる。前作にも出演。
スティーヴ・フォーシング( ジェフリー・ドノヴァン )
マットの同僚で前作にも出演。前作では脇役だったが、今作ではマットの重要なパートナーになる。
戦闘・アクション: 3.5
作品名 | ボーダーライン:ソルジャーズ:デイ |
原題 | Sicario: Day of the Soldado |
公開日 | 2018年11月 |
監督 | ステファノ・ソリマ |
ストーリー レビュー
今作は前作『ボーダーライン』のスピンオフという位置づけだが、シリーズ2と言われても違和感はなく、前作を見ていなくても楽しめる内容にはなっている。2作目にとなると1作目よる劣ることは多いが、今作はより凄みを増した感がある。前作ではエミリーブランド演じる女性警官が麻薬カルテルの現状と、その捜査手法に戸惑い、葛藤する内容であったが、今回はアレハンドロ、マットというヤバい2人に主眼が置かれており、闇が深くて重い。ただそれは気分が落ちるという意味ではない。彼らのその負のオーラが画面からヒシヒシと伝わってくる。しかし、ずっと闇というわけではなく光もある。 とにかく、終始緊迫感があり目が離せないのである。
戦闘・アクション レビュー
前作では戦闘シーンというのはそこまで多くは無く、ド派手なドンパチシーンは無かったが今作は盛りだくさんといってもいいだろう。ブラックホークやハンビー、ドローンによる爆撃などもある。作戦では正規部隊が使用できないという事でマットが雇った傭兵やPMCになり、装備や格好も様々になっている。ちなみにアレハンドロが使用しているのはH&K社のサブマシンガンUMPになり、マットはDaniel DefenseのM4A1を使用している。その他、様々な銃器が登場している。
劇中の内容は映画ということで割り切って観る人が殆どだと思うが、メキシコ麻薬戦争や密入国はリアルであり、メキシコ、特に北部では映画のようなことは起こっている。映画を見る前に”メキシコ麻薬戦争” ”メキシコ カルテル”などで検索して、事前にニュースなどを見てから映画を見ると、リアリティを感じて映画を見ることができる。