グレイハウンド|スクリーンで見たかった海戦映画|レビュー・ネタバレ

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トム・ハンクス主演の戦争映画『GREY HOUND (グレイハウンド)』US版予告公開

戦争・アクション系の映画に特化して紹介するミリレポ映画レビュー。今回、紹介する映画はApple TV+で配信されている『グレイハウンド』。第二次大戦の大西洋の連合国軍の輸送艦隊とドイツ海軍のUボート海戦を描いた作品。主演は『プライベート・ライアン 』『バンド・オブ・ブラザース 』といった戦争作品の名作を生み出してきたトム・ハンクス。この映画もこれに劣らぬ名作に仕上がっている。

ストーリー   : 4.5
戦闘・アクション: 4.5

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劇場公開中止になった作品

この映画、実は2020年6月に米国で劇場公開を予定したいたのだが、新型コロナのため公開延期に。その後も公開の目途が立たないとして、製作元のソニー・ピクチャーズは映画の配給権をアップルに売却した。これにより、グレイハウンドの劇場公開は無くなり、Apple TV+のオリジナルコンテンツして独占配信させることになった。そのため、この作品を視聴するにはApple TV+に加入する必要がある。

あらすじ

第二次世界大戦の真っただ中の1942年2月、輸送船37隻からなる護送船団はイギリスのリバプールに物資を届けるために向かっていた。船団にとって一番の脅威がドイツ海軍の潜水艦Uボート。船団にはイギリス海軍の駆逐艦HMSジェームズ(ハリー※コールサイン)、ポーランド海軍駆逐艦ORPヴィクトール(イーグル)、カナダ海軍の駆逐艦HMCSダッジ(ディッキー)、そして、アーネスト・クラウス中佐(トム・ハンクス)が艦長を務める米海軍駆逐艦USSキーリング(グレイハンド)の4隻が護衛に当たっていた。クラウスは今回が初めての戦地任務にであった。
船団が空からの支援を受けられなくなる航空哨戒圏外(ブラックピット)にでると、隊列旗艦からUボート発見の報告が入る。早速グレイハウンドは迎撃に向かう。荒波と水中を潜行するUボートの位置確認に手間取るがクラウス中佐の巧みな指揮の元、Uボートの頭上をとり、爆雷で見事に撃沈する。これで一安心かと思った矢先、最後尾の商船が別のUボートの攻撃によって撃沈。また直ぐに警戒体制に入ると僚艦から次々にUボート発見の連絡、その数は計6隻。船団は潜水艦の群れで囲み追い込むドイツ軍の”群狼作戦”の中に入ってしまっていた。
Uボートは艦船の視界が断たれる夜を待って攻撃を開始。闇夜の中、船団の中に現れるUボートによって船団は混乱、その上、グレイハウンドはレーダーが故障、同士撃ちなど起きる。その混乱を隙を突くかのようにUボートの攻撃によって次々と船が沈んでいく。Uボートを捕捉し反撃するも、それはデコイ(囮)で攻撃は無駄に終わる。それをあざ笑うかのようにUボート”グレイウルフ”より無線が入り「お前の船が沈むまでにいくつの船が沈む?」と挑発する。結局、一晩で船団は5隻の船を失うことに。航空支援を受けられる海域まではあと24時間。クラウスはこの危機を乗り越え、船団を目的地まで送り届けることができるのか…?

作品名グレイハウンド
原題Greyhound 
公開日2020年7月 
監督アーロン・シュナイダー
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ストーリー レビュー

グレイハウンド|スクリーンで見たかった海戦映画|レビュー・ネタバレ

映画の尺は91分と短い。そして余計なサイドストーリーも無く、Uボートの危機に直面する二日間を濃密に描いている。一つ序盤にクラウスが愛する女性に赴任地まで来て欲しいとプロポーズする場面があるのだが、戦地に向かう彼の申し出を断る。たいていの戦争映画であれば愛する女性のもとに帰るといった描写があるのだが、この映画にはそれがない。では最初のシーンは何だったんだとなるが、クラウスの船室には彼女からのクリスマスプレゼントでもらった船の模型が置いてあり、同じくもらったスリッパを履くなど、どこなく生きて帰るという執着をストーリーの邪魔しない形で絶妙に描いている。
クラウス艦長の揺れ動く心情も見ものだろう。軍では高圧的で怒鳴りちらす艦長もいるが、クラウスの物腰は穏やかで、部下が失態を犯してもどならない。寝る間もない中、冷静に指揮を執るも、次々と船を失う中で迷いが生じたり、部下からも注意進言されたり、信頼が揺らぐような場面もある。それが艦長、隊員からの表情から見て取れる。

戦闘 レビュー

映画『GREY HOUND (グレイハウンド)』は公開されずにApple TV+でプレミア公開に

映画のほとんどは海戦シーンで占められており、息つく暇もない。劇中のクラウス艦長すら休む暇もないのだから、休もうと思うとUボートが現れる。ここまで濃密に海戦を描いた戦争映画は他にはない。そして、この映画は海戦以外の余分なものが無いのがまたいい。海戦をスマートに描いた作品だ。

荒れた海に黒い海面、そこから忍びよるUボートの群れ。Uボートが現れる際にはシャチの甲高い声が流れる。シャチは群れで狩りをする。Uボートをそれに照らし合わせているのだろう。それがまた、緊張感を際立たせている。

潜水艦と駆逐艦の戦いは潜水艦側の視点から描いている作品が多いが艦船視点でそれを描いている作品という点でも珍しい。今まで潜水艦映画で見ていた固定観念からすると駆逐艦は潜水艦の天敵で、駆逐艦が現れたら潜水艦は撤退するものだと思っていたが、これを見る限りそうではないようだ。そもそも潜水艦を捕捉する自体も大変なのだ。潜水艦を撃沈すのに海上ではこんな細かなやり取りがあったのかというのが、この作品を観てよくわかった。やはり、艦長は頭良くなきゃ務まりません。

ん~、この作品は大きなスクリーンで見たかった。

作品を観るには月額600円払ってApple TV+に入る必要がある。しかし、7日間で解約すれば無料、ひと月だけなら『グレイハウンド』見て、他の作品を観れば十分、元は取れる。他の作品だと『SEE 暗闇の世界』がお薦めだ。

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グレイハウンド|スクリーンで見たかった海戦映画|レビュー・ネタバレ
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