硫黄島からの手紙|日本視点の硫黄島の戦い|戦争映画レビュー

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戦争・アクション系の映画に特化して紹介するミリレポ映画レビュー。今回、紹介する映画は2006年に公開された戦争映画『硫黄島からの手紙』。太平洋戦争の激戦地であった硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた「硫黄島プロジェクト」のアメリカ視点で描いた『父親たちの星条旗』に続く、日本視点から描いた作品です。監督は『父親たちの星条旗』に続き、『ミリオンダラー・ベイビー』『運び屋』のクリント・イーストウッドが手掛け、渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、中村獅童、加瀬亮といった豪華俳優陣が出演した。

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アメリカ視点の硫黄島の戦い『父親隊の星条旗』|戦争映画レビュー
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あらすじ・ストーリー

実際の硫黄島でも撮影
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冒頭は現在(当時2006年)の東京都小笠原諸島硫黄島から始まる。地中から発見された数百通の手紙。それは、61年前、この島で戦った男たちが、家族に宛てて書き残したものでした。
戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、本土防衛の最後の砦となる硫黄島の防衛のため、小笠原方面最高指揮官・栗林忠道陸軍中将(渡辺謙)が硫黄島に着任する。アメリカにも駐在経験があり、知米派であった栗林はアメリカを過小評価せず、従来の水際防衛作戦を一蹴する。他の将兵の反対を受けながらもトンネルや地下陣地構築といった内地持久戦による徹底抗戦に変更する。自軍も欺こうする日本軍に対する疑念を頂く中、指揮官として、祖国と家族が一日でも長く安泰に過ごせるために彼は任務を全うしようとする。

一兵卒の西郷一等兵(二宮和成)は妻とまだ目に見ぬ子を国に残し、徴兵で戦地に駆り出されていた。不満と絶望の中、他の指揮官とは違う行動に西郷はかすかな希望を頂くのである。

1945年2月19日、アメリカ軍が上陸を開始する。当初、その圧倒的な兵力で5日で終わるだろうとされた硫黄島の戦いは、栗林の持久戦のため、36日間にも及ぶ歴史的な激戦となった。
家族に会うために生きて帰ろうと西郷、帝国軍人とてしての勤めに揺れる憲兵上がりの清水上等兵(加瀬亮)、米国人も自分たち変わらぬと問う西中佐(伊原剛志)、生粋の軍国主義で愚かな伊藤大尉(中村獅童)。そして、軍人でありながら一人の父親として家族に思いを馳せながら兵を指揮いる栗林中将。彼らが何を思い、何のために戦い、手紙に託したのか。60年以上たった今、彼らの思いが明かされる。

評価
ストーリー   : 4
戦闘・アクション: 4
作品名硫黄島からの手紙
原題Letters from Iwo Jima
公開日2006年12月 
監督クリント・イーストウッド
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ストーリー レビュー

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当時の日本軍というと、みんな同じ方向を向いて進んでいったイメージですが、ここではそれぞれが家族や命、国、忠誠心と違う思いで戦っていたというのが分かります。
当時の指揮官では珍しく、兵の命を重んじ、無謀な作戦は行わず、アメリカを尊重する栗林中将と西中佐。一見、英雄的な言動も、最後は帝国軍人の務めなのか今までとは矛盾な行動を起こす二人。直属の上官の命令も無視して、生に執着する西郷と、それに影響されていく清水。一番忠実で死に挑んでいて伊藤大尉が生き残るという不条理さ。愛国心や忠誠心を賛美卑下する事なく、絶妙なバランスで描いています。そこに戦争という、どうにもできない残酷な運命が見て取れます。
指揮官という立場の栗林と一兵卒の西郷という全く立場が異なる二人ですが、思いをはせるのはどちらも家族でした。指揮官として生きて帰る事が出来ないであろう栗林。まだ見ぬ子のためにも生きて帰ろうとする西郷。その西郷に栗林は家族への最後の思いを託すのです。

戦闘・アクション レビュー

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終戦間際の当時、日本軍の航空、洋上戦力は壊滅同然でした。戦車は配備されていましたが、壊れ、修理部品も届かず、固定砲台と化しておりました。そのため、戦闘は塹壕陣地から機銃、野砲などによる持久戦が主です。しかし、次第に機銃もなくなり、九九式短小銃による散発的な戦闘になっていきます。
戦闘シーンは後半のアメリカ軍の上陸からになります。序盤は栗林の作戦がはまり日本が戦果をあげていきます。しかし、そこは物量に勝るアメリカ。日本軍は次第に追い込まれていきます。劣勢になると日本兵の集団自決、万歳突撃など、太平洋戦争で描かれる日本軍のおなじみのシーンが出てきます。やはり、日本人としては日本兵が無謀な突撃をしてバッタバッタとやられる姿は気分がいいものではありません。それでも、やむを得ず、死んでいった事が分かる描写があり、当時の戦術の不合理性が分かります。海外映画ではその点の描写は描かれていませんからね。
クリントイーストウッドの作品は『父親たちの星条旗』と同じく、基本重めです。映像も、おそらくカメラの露出も絞っており、しっとりした感じです。戦闘シーンでは目をそむけたくなるよう凄惨なシーンは多いです。この映画はキレイに描いたものではなく戦争の悲惨さを伝える作品です。

まとめ

アメリカ映画に出てくる日本兵は他の国のアジア系や日系人が多く、喋る日本語も違和感があったりします。しかし、この作品は制作がアメリカ、監督もアメリカ人のクリントイーストウッドではありますが、違和感なく見れます(若干気になる部分はある)。また、アメリカが描写する日本兵は偏見もあったりするものですが、それが感じられず、日米双方ともに中立に描いている感じます(マーケットしては日本を意識していたので、その点の配慮はあったかもしれません)。なのでアメリカ映画というより、日本映画としても見れる杞憂な映画です。ぜひ、『父親たちの星条旗』と合わせて見てください。順番的には星条旗の方が先かな。


父親たちの星条旗(字幕版)
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日本視点の硫黄島の戦い『硫黄島からの手紙』|レビュー、ネタバレ
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